研究課題/領域番号 |
20K01592
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07030:経済統計関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪府立大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
鹿野 繁樹 大阪公立大学, 大学院経済学研究科, 教授 (80382232)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | データ欠損 / 差分の差分 / 二重頑健推定 / IPW / 定式化の検定 / パネルデータ |
研究開始時の研究の概要 |
データの欠損は、経済学のみならず疫学、公衆衛生学、社会学、政治学といった、観測データを利用する分野で広く関心を集める問題である。個体の属性に基づき系統的にデータ欠損が発生しているならば、完全観測のサンプルは代表性を失い、推定結果にバイアスが生じることが知られている。このデータの欠損を補正するパラメータ推定法については多くの研究があるものの、補正を要するか否かをチェックする手法は、少ない。そこでこの研究は、「補正が必要ない」ことを帰無仮説とする仮説検定を提案する。
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研究実績の概要 |
本研究の第一の目的は、パネルデータ分析において、バイアスの補正を推定すべきかどうかを判断する定式化の検定を開発し、実証分析に応用することである。それと平行して、バイアスの補正をかけた状態で、伝統的な定式化検定をおこなった場合の検定統計量の振る舞いを分析する。第二の目的は、パネルデータ分析における標本選択問題に対し、データ欠損の新しいアプローチによる解決法の開発と応用である。 本年度は主に、昨年度から引き続き差分の差分法(DID)、回帰不連続デザイン(RDD)のパラメータ推定における二重頑健推定の研究をおこなった。具体的には、DIDとRDD双方について、新たな二重関係推定量を提示し、その漸近的な性質を明らかにした。主な結論は、(1)両推定問題における二重頑健推定量の一致性と漸近正規性、(2)回帰分析に基づく古典的なアプローチが漸近的により有効となる条件と、有効性の証明、(3)二十頑健推定量と通常の回帰分析のいずれかを選択するための定式化検定、の3点である。 また本年度は、パネルデータ分析の枠組みで、条件付きでアウトカムが観測される状況における二重頑健推定の研究を開始した。この問題は、データ欠損の問題ととらえることが可能であり、二十頑健推定が可能である。 最後に、古典的なパネル分析の手法・固定効果モデルを拡張した、個体固有のトレンドをもったモデルに関し、誤差項の定式化検定を提案した。個体固有のトレンドを許容するモデルは、上記差分の差分法における条件付き平行トレンドと密接に関係すると考えられる。この成果は、下記研究集会で報告済みである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍の影響により、国際的な学会や研究会への出席が困難になっている。また、所属大学の感染予防のための封鎖などにより、データ分析の補助員の雇用およびトレーニングが遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度までの研究のうち、実証分析が修了していないものについては日米の個票パネルデータを取得し、実データによる検証をおこなう。また研究成果の論文執筆・校閲をおこない、学術雑誌へ投稿する。
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