研究課題/領域番号 |
20K01603
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
石原 章史 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (80643668)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 関係的契約 / 情報管理 / インセンティブ / 情報伝達 / 組織の経済学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は契約理論の近年発展している分野である関係的契約と情報管理、その相互関係の解明の進展に貢献することを主たる目的とする。関係的契約を通じたインセンティブ供給と契約当事者間の情報の管理の影響を理論的な側面から分析を行うとともに、実証・事例研究との関連性を考察する。最終的には、情報管理と関係的契約の相互の関係性を特徴づけ、組織や経済取引における情報管理の望ましいあり方を明らかにすることを目指す。具体的には、以下の2点を中心に情報の管理の問題に取り組む。(i) 関係的契約によるインセンティブ供給と当事者間への情報開示の影響。(ii) 関係的契約による情報獲得と伝達のインセンティブ設計。
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研究実績の概要 |
研究計画にある中心的な課題について以下のことを行なった。(1)専門家が意思決定者に献金の形で金銭移転を行うことができる状況での情報の伝達の理論研究を進展させ、いくつかの学会や大学にて報告を行い、研究として論文にまとめた。現在、査読付英文雑誌に投稿中である。(2)プリンシパル-エージェント間の関係的契約下でのプリンシパルの情報開示の理論研究を行なった。とりわけ最終年度では、状態依存型の費用関数、情報獲得の可能性、情報の非対称性などを考慮した拡張を考察し、分析を進展させた。
また、中心課題と関連して以下のことが達成された。 (1)上司と部下の意思決定問題における部下への非公式な権限移譲の可能性を考察した論文を改訂し、現在査読付き英文雑誌に投稿中である。(2)(1)と類似する環境において、 上司が関係的契約による裁量的なボーナスと公式の権限配分によって部下のインセンティブ問題を解決するモデルを構築した。上司と部下の関係性の継続度合い(割引因子)によって最適な権限配分が異なりうることを発見した。(3)関係的契約下でのチームの監視の影響を分析した理論研究の論文を査読付き英文雑誌に投稿後、投稿先から再投稿の要求を受け現在改訂中である。(4)意思決定の選好が異なる状況での関係的契約と公式の権限委譲 の相互作用を分析した論文を改訂し、現在査読付き英文雑誌に投稿中である。(5)企業における推薦雇用制度を考察するモデルを構築し、推薦雇用制度の是非とインセンティブ契約の関係性について分析した。
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