研究課題/領域番号 |
20K01604
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 名古屋大学 (2021-2023) 学習院大学 (2020) |
研究代表者 |
加藤 真紀 名古屋大学, 教育基盤連携本部, 教授 (80517590)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 大学教員 / 外国学位 / 日本 / 留学 / 帰国 / 国際化 / キャリア / 高等教育政策 / 帰国移動 / 国際移動 / 高等教育 / キャリアパス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は高技能労働者の帰国移動の理論化と2段階の自己選択バイアスなどのメカニズムの解明に向けた知見の提供を試みる。留学選択では学校教員統計調査の2次利用を予定し、外国学位を持つ日本人大学教員のキャリア(職制や給与等)や属性の特徴を、国内学位を持つ日本人大学教員との比較から明らかにする。帰国選択では博士号取得者を大学教員の母集団と見なし、米国調査結果を用いて米国で博士号を取得した日本人留学生のうち帰国者のキャリアや同満足度の特徴を留学後滞在者との比較から明らかにする。また同調査の全留学生を対象として帰国がキャリアに与える影響を分析し日本人留学生の帰国選択によるキャリアの特徴を把握する。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、外国学位を持つ日本人大学教員のキャリアの特徴を留学と帰国の選択から明らかにすることであった。学校教員統計調査を分析した結果、国内学位取得と比べて、外国学位を持つ日本人大学教員の職階や賃金の高さが示された。既存研究が予想したような日本の大学教授市場の国際化が進展していない状況も明らかとなった。 教授、女性、大都市、私立大学、人文社会科学で多い特徴からは、日本の高等教育拡大による帰国と同時に、自国大学院進学の困難に基づく留学選択が推察された。留学先での帰国選択を推察するため、米国大学教員の満足度調査結果を分析した結果、常に不安定な状況にいるアジア女性教員の実態が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本テーマに関連するのは研究者の出国と帰国移動である。特に高技能労働者の帰国移動の理論化は途上であり、本研究はこれに向けた基礎的な知見の提供を試みた。本分析結果からは、高等教育政策の変遷による留学と帰国選択が示唆された。今後は、高等教育政策における構造的変遷の影響を意識しつつ国際移動を研究する必要が考えられる。また本研究からは留学経験を持つ大学教員は依然として小規模だが、その優位性が示された。これは出国時の選択バイアスと同時に外国経験による成長などが研究者の生産性を向上させる可能性を示唆する。よって、積極的な留学政策の推進と同時に大学教員育成の国際化も検討に値することが提言される。
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