研究課題/領域番号 |
20K01627
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
都留 康 一橋大学, その他部局等, 名誉教授 (00155441)
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研究分担者 |
後藤 潤 政策研究大学院大学, 政策研究科, 助教授 (30732432)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 社会的評判 / 経済的インセンティブ / 社会的分断 / 保守主義 / 差別 / 協力的行動 / 金銭的インセンティブ / 自然実験 |
研究開始時の研究の概要 |
この研究の目的は,社会的評判と金銭的インセンティブとが人間の協力的行動に対してどのような相互作用を持つのかを明らかにすることである.特に,①社会的評判制度の形成は協力的行動を促進するのか,そして②個々人の社会的評判の水準に対して金銭的インセンティブが付与された場合,協力的行動は阻害されるのか,の2つの重要な問題に焦点を当てる.具体的には,日本最大級のQ&Aサイトで生じた2つの自然実験(①社会的評判の促進; ②経済的インセンティブの導入)に基づいて新たな証拠を提供し,その社会科学的意味を考える.
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,社会的評判と金銭的インセンティブとが人間の協力的行動に対してどのような相互作用を持つのかを明らかにすることである.とりわけ,①社会的評判制度の形成は協力的行動を促進するのか,②個々人の社会的評判の水準に対して金銭的インセンティブが付与された場合,協力的行動がクラウドアウトされるのか,の2つに焦点を当てる.この目的ために,2018年6月に「社会的評判制度」を導入し,9月にその評価に金銭的インセンティブを付与したA社のQ&Aサトデータを分析することとした. 2022年度には,前年度に確定したリサーチクエスチョン,すなわち「社会的評判制度と金銭的インセンティブの導入が,オンラインコミュニティ上でのイデオロギー的分断や様々な差別を助長するのか否か」について計量分析を行なった.当初は,より一般性をもつと思われた所得再分配政策への是非や人種差別(ヘイトスピーチ)への賛否を被説明変数として,社会的評判制度の導入や金銭的インセンティブの付与が分断を推し進めるとの作業仮説が成り立つことを試行した.しかし有意な結果が得られなかった.このため,様々な質問を詳細に再吟味して保守主義的な政権への賛否が最も当てはまりがよいことを見い出した. このため,先行研究の再吟味が必要となり,経済学のみならず政治学における文献も渉猟し吟味した. こうした文献研究と計量分析の結果に基づき,論文を鋭意執筆中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究自体は順調に進んでいるが,被説明変数の探索と論文執筆に予想外の時間を要した.このため,2023年度に繰り越し申請を行った.
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今後の研究の推進方策 |
2023年度には論文を執筆し,セミナー等で内外の専門家のコメントを仰ぐ.これに基づき論文を改訂・完成して,最適と思われる英文ジャーナルに投稿予定である.
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