研究課題/領域番号 |
20K01640
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
宮崎 憲治 法政大学, 経済学部, 教授 (10308009)
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研究分担者 |
平賀 一希 名古屋市立大学, 大学院経済学研究科, 准教授 (40528923)
郡司 大志 大東文化大学, 経済学部, 教授 (50438785)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ヘテロ経済モデル / 金融政策 / 財政政策 / 日本経済 / 一般均衡 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は, 財政政策および金融政策が日本経済にどのような影響を与えるかをヘテロ経済モデルを用いて定量的に分析することである. 従来のマクロ分析は代表的個人モデルを用いた分析がほとんどであった. 近年, ヘテロ経済モデルの計算手法が画期的に改善され,合衆国を中心に研究成果が登場し始めている. 本研究では, こうした学術的な流れに沿った上で,金融政策および財政政策が日本のマクロ経済に与える影響を,所得分布および資産分布の側面に注意しながら, 定量的に評価していく.
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、ヘテロ経済モデルを用いて、財政政策および金融政策が日本経済に与える影響を定量的に分析することである。従来のマクロ分析では、代表的個人モデルを用いた分析が主流であった。しかし近年、ヘテロ経済モデルの計算手法が飛躍的に改善され、特に米国を中心に新たな研究成果が次々と発表されている。本研究ではこうした学術的潮流に沿いつつ、所得分布および資産分布の側面に着目し、金融政策と財政政策が日本のマクロ経済に及ぼす影響を定量的に評価していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年にわたって続いていた査読雑誌へのやりとりが終了し、無事、論文が査読雑誌の掲載を達成した。この論文では、簡単な動学的一般均衡モデルを使用して、税控除がラッファー曲線の弾力性(以下、ラッファー弾力性)、課税所得、および税収の3つの弾力性に影響を与えることを示している。まず、この研究はラッファー弾力性を課税所得の弾力性と税収弾力性に分解している。 この論文の貢献は2つである。第一に、税控除の重要性を定量的に評価するため、この研究は、外生的控除と社会保障税を伴う一般均衡モデルの定常状態における労働所得と資本所得に関するこれらの弾力性の解析解を計算している。第二に、この研究は日本のデータを使用して、妥当なパラメータ値による数値シミュレーションを行っている。 さらに、この研究は、シミュレーション結果が公共財政の実証文献と一致することを発見した。それは、ラッファー曲線の不安定なピーク、課税所得弾力性の幅広い推定値、および1を上回る税収弾力性である。これらの結果の政策的含意は、税収を最大化する税率が、パラメータと控除次第で不安定であるということだ。。
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今後の研究の推進方策 |
本研究では、最新の経済動向を常に把握しながら、英文論文の作成に取り組んでいる。この論文は、国内外の学会での発表を経て、受けたフィードバックを基に修正を重ね、最終的には査読付きの学術雑誌への投稿を目指している。 論文の作成過程では、数値計算や実証分析が欠かせない。これらの分析を行うためには、適切な数値計算環境の整備が必要であり、使用するデータの精度を保つためにもデータの整理と管理を継続的に行っている。これにより、研究の信頼性を高め、より正確な結果を導き出すことが可能となる。 さらに、学会での発表だけでなく、より深い議論を促進するために研究会を定期的に開催している。これは、研究連携者や他の専門家を招いて行うもので、参加者は約10人程度。Zoomを利用したオンライン会議で、各自の研究成果を共有し、相互のフィードバックを通じてさらなる研究の質の向上を図る。このような研究会は、参加者間のネットワークを強化し、新たな共同研究の機会を生み出す場ともなっている。 この一連のプロセスを通じて、経済学の分野における新たな知見を世界に向けて発信し、学術的な貢献を目指している。研究成果の国際的な認知と、それによるさらなる研究の発展が期待される。
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