研究課題/領域番号 |
20K01641
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 明治学院大学 |
研究代表者 |
齋藤 隆志 明治学院大学, 経済学部, 教授 (60437283)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 労働組合 / 賃金格差 / 労使コミュニケーション / 生産性 / 人事制度 / 雇用慣行 / 労使協議制 / 企業業績 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究プロジェクトは、第一に労使コミュニケーションのあり方が、1990年代後半以降現在に至るまで、人事制度や施策改革に対して与えた影響を分析する。第二に、同期間の人事制度・施策の改革が企業業績に与えた影響が、労使コミュニケーションのあり方によって影響を受けたかを分析する。これらの分析は、計量経済学的手法で実証分析することと、データの入手先の企業や労働組合への聞き取り調査の分析を組み合わせる。
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研究成果の概要 |
本研究では、労働組合員の意識調査データを用いて、労働組合活動が活発な企業において、正社員男女間の男女格差意識が小さくなること、組合活動の中でも男女格差の縮小を目指すような内容のものが活発である場合は、実際の男女間賃金格差が小さくなることを示した。また、同じデータを用いて、労働組合ごとに計算された組合活動レベルに対する組合員の評価の平均値が高いほど、組合員個人のウェルビーイングが高くなることが示された。さらに、そもそも労働組合が存在する企業においては、そうでない企業と比べて30歳正社員総合職の賃金格差が小さくなることや、生産性が高くなることが、内生性を考慮した上で示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で得られた結果は、労働組合活動が実際の企業の人事制度・賃金制度に影響を及ぼしている可能性を示すものである。また、従業員のウェルビーイングや企業の生産性を向上させていることも示唆している。以上のことから、我が国において労働組合などを通した労使コミュニケーションを強化させることが、従業員にとって望ましい賃金制度や人事制度の導入につながる可能性があること、生産性等の企業業績にまで好影響を及ぼしうることがわかった。労働組合のプレゼンスが低下するなか、組合そのものや組合活動の存在意義を考えるうえで、重要な結果といえる。
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