研究課題/領域番号 |
20K01645
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 南山大学 |
研究代表者 |
寳多 康弘 南山大学, 経済学部, 教授 (60327137)
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研究分担者 |
川端 康 名古屋市立大学, 大学院経済学研究科, 教授 (50308839)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 貿易 / 環境 / 国際輸送 / 排出量取引 / 交易条件 / 環境規制 / 貿易パターン / 汚染排出 / 経済厚生 / 国際貿易 / 環境汚染 |
研究開始時の研究の概要 |
国際貿易の拡大による国際輸送からの汚染排出量の増加は顕著で、国際輸送に対する環境規制の強化が求められている。本研究では、輸送サービスならではの特徴を考慮に入れた国際貿易の理論モデルを構築して、貿易国間の輸送量と貿易品目の違いによる輸送コストの非対称性が、各国の貿易パターンと汚染排出量、さらには経済厚生にどのような影響を与えるかについて考察する。
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研究成果の概要 |
本研究では、環境規制として効率的な手段である排出量取引が国際輸送部門でのみ実行された場合、どのような国が排出量を購入するのか売却するのか、どのような貿易構造を持つ国の経済厚生が高まるのかどうかを明らかにした。排出量取引によって、国際輸送部門からの排出量を効率的に減らすことができるので、ある一定の世界的な排出量に規制しても、国際輸送サービスの世界全体での供給量は増加する。このため、国際輸送サービスの価格は低下し、それは国際輸送サービスに依存した財貿易の拡大を促して財の価格も変化する。各国の経済厚生は、国際輸送サービスと財の価格の変化により総合的に影響を受け、経済厚生が高まる条件を導出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
貿易量の増加により国際輸送からの汚染排出量の増加が懸念されている。国際輸送の環境規制の特徴として、国際海運および国際航空からの温室効果ガスは、排出に責任を持つ国を特定しにくいため、国連気候変動枠組条約では規制対象外(鉄道やトラックの国際輸送からの排出は国内排出として規制対象)で、国際海事機関(IMO)および国際民間航空機関(ICAO)が規制すると規定されている。よって、国際輸送部門での独自の環境規制の導入が求められている。本研究では、この特徴に合った環境規制の導入の効果を理論的に明らかにしており、本研究の成果は、今後の環境規制の制度設計の際に役立つもので、社会的意義は高いといえる。
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