研究課題/領域番号 |
20K01653
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大庭 哲治 京都大学, 経営管理研究部, 准教授 (80464197)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | ジェントリフィケーション / 都市公共政策 / 誘発分岐点 / 社会的公正 / 空間的異質性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,米国と日本の複数都市を対象に,再開発事業ではなく,直接的な物理的改変をもたらさない都市公共政策としての歴史地区登録が,「ジェントリフィケーション(Gentrification)」を誘発するメカニズムとその空間的異質性を科学的に解明するとともに,社会的公正について定量的に検証する.これを通して,都市現象の進行過程や都市・地域の特性に応じたジェントリフィケーションの制御可能性に関する示唆を得ることで,社会的公正に配慮した,エビデンスに基づく望ましい政策設計の提案を目指す.
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研究実績の概要 |
2022年度は,2021年度の遅れを取り戻すべく,研究計画にも記した以下の2つの研究内容について,さらに深掘りした. B)ジェントリフィケーションの因果的誘発と社会的公正に関する分析手法の開発 都市公共政策による外生的なインパクトの前後でのジェントリフィケーションの誘発・発現状況について,空間差分の差分推定法や空間パネルデータ分析といった,空間計量経済学の最新の学術的知見を援用することで計量的に解明するための分析手法を継続的に検討した.また,市場要因に加えて非市場要因や人口・社会・経済構造を反映した社会的相互作用によるジェントリフィケーションの因果的誘発の可能性と社会的公正についても検証するため,都市現象の複数均衡の存在や,ある均衡から別の均衡への移行をもたらす分岐点を明示的に考慮した,新たな分析手法についても検討した. C)米国・日本の複数都市を対象とした実証分析による望ましい政策設計の提案 コロナ禍の影響で,研究計画にも記していた米国での調査によるデータ収集が適わないため,日本でのケーススタディについて検討した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究対象国である米国に関しては,国内外のコロナ禍の影響ため,渡米して,現地での調査や管轄する州・市の担当部署への訪問が適わず,データ収集・整備に遅れが生じたため,期間延長の上,2023年度にリカバリーしたいと考えている.
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今後の研究の推進方策 |
本研究は,2023年度に2022年度までの遅れを取り戻すとともに,以下の研究内容について取り組む予定である.
C)米国・日本の複数都市を対象とした実証分析による望ましい政策設計の提案 分析データセットを考案した分析手法に適用することで,米国と日本の複数都市を対象に,日本は町丁目で,米国はBlock GroupあるいはCensus Tractの小地域単位で精緻に実証分析を行う.これにより,ジェントリフィケーションの誘発・発現のメカニズムと空間的異質性を明らかにするとともに,社会的公正に配慮した望ましい政策設計を提案するための定量的指針を提示する.
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