研究課題/領域番号 |
20K01655
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
井上 武 神戸大学, 国際協力研究科, 准教授 (20450546)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 金融包摂 / 郵便金融 / 貧困削減 / インド / 郵便ネットワーク / 国際送金 |
研究開始時の研究の概要 |
「金融包摂」については、これまで商業銀行やマイクロファイナンス機関の役割に焦点が当てられてきた。本研究はこうした既存研究とは異なり、郵便局が多くの国で農村部や遠隔地に広範な物理的ネットワークを構築している現状に注目し、郵便ネットワークを通じた金融包摂の貧困緩和効果を分析することを主な目的としている。分析に際しては発展途上国の中で最大の郵便ネットワークを持ち、近年、郵便局が新しい商業銀行として中央銀行から認可されたインドに焦点を当て、郵便ネットワークと同国で急速に進展しているモバイル技術との融合の可能性についても明らかにすることで、金融包摂研究の新たな端緒を開きたいと考えている。
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研究実績の概要 |
2023年度は、本研究課題について1)先行研究のサーベイと、2)収集したデータに基づく実証分析を行った。 1)については、2023年度は1年間、在外研究期間でタイ王国に滞在したため、インドでの現地調査を行うことができなかった。このため、関連する先行研究を幅広くサーベイした。特に、インドでは近年、郵便局が決済銀行を設立し、金融包摂の一翼を担っていることから、郵便決済銀行を含むインドの銀行部門を対象に、その収益性に影響を与える要因を分析した既存研究を広くサーベイした。これを通じて、過年度とは異なる視点から、郵便局を通じた金融包摂について理解を深めることができた。 2)については、昨年度実施したインド郵政から入手したデータに基づく分析について、異なる分析手法を用いた再検証を試みた。具体的には、これまでの分析には含まれていなかった、金融包摂が進んでいる国と遅れている国の相違を考慮に入れることが可能となる手法を用い、金融包摂の進展状況の相違が郵便ネットワークを通じた貧困削減効果に影響を持つかについて分析を行った。分析結果から金融包摂の普及状況は分析結果に影響しないことが明らかになった。このため、2022年度まで行ってきた分析をさらに精緻化し、研究を継続する方向性を確認することができた。 2023年度はインドの大学に所属する研究者と本研究課題とは異なるテーマで共同研究を開始した。このような共同研究の機会を通じて、郵便ネットワークがインドでは実際にどのように機能してきたかについて議論し、その内容を分析にも反映させている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度は本研究課題とは異なる研究課題で在外研究を行ったため。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度はインドの研究者との共同研究ネットワークを通じて、インドにおける郵便金融の実相について情報を収集し、これまで行った先行研究のサーベイや実証分析と結びつけることで、学術論文を執筆し、具体的な成果につなげる。
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