研究課題/領域番号 |
20K01657
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022-2023) 大阪市立大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
金子 勝規 大阪公立大学, 大学院経済学研究科, 教授 (10708085)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 高齢者 / 格差 / 公的介護制度 / ボランティア / タイ / 介護保障 / 介護ボランティア |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は計量経済学的分析と質的データ分析により,高齢化の進展するタイにおける高齢者の所得格差,健康格差,介護格差のメカニズムを明らかにし,持続可能な「タイ式介護制度」モデルを検討する.そこで,本研究では公的介護制度を分析対象に加えて,介護の前段階である経済面や健康面の格差の介護サービス利用への影響を考慮した分析フレームワークを用いた統計分析を行う.計量分析の結果および質的データ分析の結果から,介護ボランティアを活用したタイ式介護制度モデルを検証することで,強靭な財政基盤を持たない国々の介護政策に関するインプリケーションを示す.
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研究成果の概要 |
本研究は,タイの高齢者の生活の質に影響を与える経済的要因,社会的要因,文化的要因を統計分析を通じて明らかにした.特に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大により,家庭内のインフォーマルなケアの重要性を指摘したうえで,年齢や寝たきり状態といった要因がこの生活満足度に影響を与えることが明らかになった.さらに主観的評価による健康状態や生活習慣,社会参加の状況も高齢者の生活の質と相関を持つことを示した.近い将来,介護サービス供給する介護ボランティアを兼任することも多い保健ボランティアの高齢化が公的介護制度の持続可能性に影響を及ぼすことも示唆される.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
介護サービスの供給水準には地域差が見られることから部分的にではあるが,所得水準や健康水準の違いだけではなく介護ニーズや介護サービス需要の差異が高齢者の生活の質に影響を及ぼしていることを明らかにした.また,タイの保健医療関係者やボランティアと協力して共同で調査を行う中で,研究手法や知見の社会還元を実施した.
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