研究課題/領域番号 |
20K01658
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 北九州市立大学 |
研究代表者 |
奥山 恭英 北九州市立大学, 国際教育交流センター, 教授 (00454215)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 災害影響評価 / 地域経済分析 / 産業連関分析 / リスク評価 / 地域科学 / 地域産業分析 / 災害影響分析 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は自然災害の経済的影響を地域レベル(sub-national level)での空間的な伝搬に注目して分析を行う。事例研究として日本と同じような自然災害に頻繁に見舞われるフィリピンの近年の自然災害を取り上げ、フィリピン研究者グループと協力して分析・考察を行う。特定の地域における災害被害や復旧・復興に関わる事業の他地域への影響伝搬を分析するために、地域間産業連関表等を用いた経済モデルの構築および解析を行う。これにより地域経済における災害のもたらす影響や復旧・復興に関わる政策・戦略の評価を行い、将来の災害に備える知見を導き出す。
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研究実績の概要 |
本年度は一昨年度来の新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大により1および2年度目に行う予定であったフィリピン研究者と共同によるフィリピン地域間産業連関表の構築・改良のためのデータ収集・分析の遅れを取り戻しモデル構築の完了とフィリピンにおけるデータ収集、さらに現地での研究打ち合わせ及びセミナー開催を予定していた。新型コロナウイルス感染症拡大は収まりつつも終息はしておらず、海外渡航は本年度も限定され、訪問のためのスケジュール調整も困難であったため、研究打ち合わせやデータ収集は主にインターネットを通じて行った。両者とも概ねデータ収集は完了し、モデルの構築を行った。同時に当該分野における研究論文収集や関連理論構築のための図書購入などを行い、フィリピン研究者とはインターネットを通じたディスカッションを行った。これらの活動を通じて、共同論文執筆の計画(実務者向けの災害影響分析;産業構造分析の新しい手法の開発とケーススタディ等)を討議し各々の分担を決め執筆・投稿を行っている。この中で研究代表者による「最先端の分析モデルのレビュー論文(A few food models for economic analysis of disasters: can your model handle the truth?)」を国際学術書(Handbook on the Economics of Disasters: Edward Elgar publisher)に発表した。 研究代表者は日本側分析や新たな分析手法開発状況の速報を中心に国際学会大会(第12回Integrated Disaster Risk Management国際大会;2022年9月オンライン参加)での研究報告を行った。 このような状況であるため、本研究の補助事業延長申請を行い承認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症拡大継続により、フィリピン研究者との交流がインターネットを通じてのもの(メールやビデオ会議等)に限られ、大きく研究進捗に影響している。計画していた各年度1から2回のフィリピン滞在(データ収集;研究打ち合わせ;セミナー開催等)が行えず、旅費等の予算消化が滞っている。研究打ち合わせ等に関してはインターネットを通じたオンライン打ち合わせを用いており、研究内容や進め方の議論は定期的に行えている。 同時にデータ収集は概ね順調に進んでおり、今後の分析へ向けてスピードを上げていく予定である。 研究論文の執筆を前倒しし、さらに1から2編ほど増やす事も計画しており今までの遅れを取り戻すよう予定している。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症の影響が未だ見られ、当初の研究計画に含まれる各年度1から2回のフィリピン滞在(研究打ち合わせ;データ収集;現地でのセミナー開催等)は今年度もある程度の困難が予想される。 このため、状況に応じてインターネットを通じた研究打ち合わせを行うとともに、フィリピン地域間産業連関表の分析やそれを用いた災害事例の検討については手持ちの限られたデータをもちいて研究者間で分析を分担して行う。今年度にフィリピン滞在が可能となり地方データ入手が可能となった場合は、それを用いて地域間産業連関表を更新・改訂し災害事例についての分析も改訂するように考えている。 国際学会での本研究の成果の発表は、新型コロナウイルス感染症等の状況を鑑みながら今年度は数回計画している。 論文執筆は順次進めており、本年度には数本の論文を国際学術雑誌等に投稿・掲載する計画である。
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