研究課題/領域番号 |
20K01665
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 中京大学 |
研究代表者 |
佐藤 茂春 中京大学, 総合政策学部, 教授 (00432849)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 地域分離 / 地域統合 / 投票制度 / 負債 / 富裕地域 / 天然資源 / GIS |
研究開始時の研究の概要 |
近年,イギリスの国民投票によるEU分離の決定など,投票による分離運動が盛んに行われている。地域の独立住民投票が法的効力を持つためには,多くの場合,中央政府や連邦政府の承認が必要であると考えられている。そこで,本研究では,投票による地域の分離や統合に与える制度の影響について明らかにする。とりわけ,富裕地域分離に関する承認と公的債務負担の制度の分析を行う。 主な分析内容は以下の3点である。 ①連鎖的な富裕地域の分離・統合の分析, ②富裕地域分離や統合における公的債務の影響の分析,③民主的制度の比較分析
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研究実績の概要 |
本研究では,投票による地域の分離や統合に与える制度の影響について明らかにする。とりわけ,富裕地域分離、公的債務負担の制度の分析を行う。本年度も継続して、以下の2つの理論研究を進めた。 一つ目の資源と地域分離の理論研究は、引き続き、共同研究として進めている。理論モデルはほぼ完成した。現在は論文の執筆と数値シミュレーションを続けている。数値シミュレーションについては、資源量に応じて、分離形態が変化するという興味深い結果を得た。この結果によると、ある国家の一地域に偏在する資源量が多いほど、高い資源価値が実現しても分離しない状態から、高い資源価値が実現した時のみ分離し低い資源価値が実現した場合には分離しない、そして、低い資源価値が実現しても分離する状態へと移行する。したがって、資源量が多いと分離傾向が強まることが示された。今後、この分離によって、分離する地域の効用がどのように変化するかを分析する必要がある。また、分析に間違いがないか慎重に確認している。この作業が終わり次第、成果の公表を行う予定である。 二つ目の投票による富裕地域分離の理論研究については、モデルの複雑さにより、計算に問題があるため本質を失わないようにしつつ、モデルを簡略化することに取り組んでいる。この作業が当初の予想より困難であるため、こちらの研究については大幅に遅れている。 いずれの研究も当初予定より遅れているが、次年度中に成果公表できるように取り組む所存である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
資源と地域分離の共同研究はわずかに遅れているが、公的負債と地域分離の理論分析はモデル設定の大幅な簡略化が必要となり、大きく遅れてしまったため、全体として「遅れている」とした。
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今後の研究の推進方策 |
資源と地域分離の共同研究の論文については、秋頃を目処に学会等で報告し、公表する予定である。公的負債と地域分離の理論分析については、夏頃を目処にモデルの修正を終わらせ、ディスカッションペーパーとして公表することを目指す。その後、どちらの論文とも、査読誌への投稿を行いたい。
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