研究課題/領域番号 |
20K01678
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
水野 倫理 神戸大学, 経済学研究科, 教授 (60589315)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 垂直的市場 / 株式保有 / 株式の部分保有 / 価格差別 / 寡占市場 |
研究開始時の研究の概要 |
川上企業と川下企業が存在する市場において,企業間の株式保有がどのような影響をもたらすのかについて分析を行う。通常,ライバル企業の株式保有は,競争を弱める効果を持ち,社会的に望ましくないと考えられている。本研究では,取引関係にある企業を考慮することで,株式保有が取引条件に与える影響を評価できるようになる。もし,株式保有がこの取引条件を社会的に望ましくない方向に変化させるのであれば,株式保有の問題はより深刻なものとなる。一方,この取引条件が社会的に望ましい方向に変化するのであれば,株式保有はそれほど問題とならない。本研究では,理論的な分析により,これらの条件を明らかにしたいと考えている。
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研究成果の概要 |
本研究では,垂直的市場における株式保有の効果について分析を行った。本研究における重要な知見として,以下を得た。それは,投入物価格差別は反競争的な効果を持つことが知られているが,川下企業が株式保有を行っている場合,その反競争効果が消失する可能性があるということである。また,本研究課題に関連する研究として,垂直的市場の性質を研究し,いくつかの副次的な成果を得た。本研究課題で取り組んだ研究のいくつかは論文としてまとめ,英文査読付き雑誌に出版した。また,出版していない論文についても,英文査読付き雑誌に投稿をしている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
競争関係にある企業間の株式保有は,競争を弱める効果を持つことが知られており,社会的に望ましくないと考えられている。本研究では,株式保有に関するそのような理解が正しくない状況を特定することを目指した。実際,社会的に望ましくないと考えられている投入物価格差別は,株式保有を伴うことによって,社会的に望ましい性質をもち得ることを示した。また,本研究課題を進めるにあたって,垂直的市場の様々な性質を分析し,既存研究で知られている性質が成立しない条件を提示した。
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