研究課題/領域番号 |
20K01684
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 新潟県立大学 |
研究代表者 |
若杉 隆平 新潟県立大学, その他, 学長 (80191716)
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研究分担者 |
伊藤 萬里 青山学院大学, 経済学部, 教授 (40424212)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | M&A / 対内直接投資 / 知的財産権 / サプライチェーン / デカプリング / 国際貿易 / 先端半導体 / サプライ・チェーン / オフショアリング / リショアリング / 特許権 / 地域貿易協定 / GVC |
研究開始時の研究の概要 |
オフショアリングやグローバル・サプライチェーンの存在する条件下において、知的財産の保護に関する制度・政策が財・技術貿易、イノベーションにどのような影響をもたらすか、また、オフショアリングやグローバル・サプライチェーンの存在が知的財産保護政策の内容及び政策決定のプロセスにどのような影響を与えるかを理論面・実証面から明らかにする
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研究実績の概要 |
対内直接投資の決定要因に関する実証分析、世界貿易の変化に関する実証分析を通じて、オフショアリングに影響をもたらす要因の解明に取り組んでいる。 ・対内直接投資に関して、新規投資に較べて既存企業へのM&Aによる方が人々が否定的となる傾向にあること、また、リスク回避性向や高い時間選好をもつ人々の方が、歴史のある企業が外国企業に買収されることに対して拒否感をもつ傾向の見られることを明らかにした。 ・国境をまたぐM&Aが特定の地域間に偏っていることに着目し、2010年~2017年における44都市間のFDIデータを用いてM&Aの決定要因を重要方程式によって推計することにより、都市の規模や都市間距離の要因に加え、外国企業の集積度、空港利用の利便性が対内M&Aを決定する上で重要な要因となることを明らかにした。 ・G7や中国に見られる先端半導体に関する貿易制限(先端的半導体・製造装置・生産技術の外国への輸出禁止)、投資制限(投資・買収の制限)、外国企業に対する自国内での技術開発・生産の要求、産業の保護育成(補助金による自国内での半導体産業の育成)、安全保障上の理由からのGSCのリショアリングやフレンドショアリングへの見直し、ロシアへの経済制裁が、米国・日本などのG7諸国における中国との輸出入の減少、中国のロシア、グローバルサウスとの輸出入の拡大をもたらし、グローバルサプライチェーンにおける貿易相手国と貿易量の変化をもたらしたことを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
以下のように対内直接投資の決定要因に関する実証分析、世界貿易の変化に関する実証分析を進めた。 ・新規投資に較べて既存企業へのM&Aの方が、対内直接投資に対して人々が否定的となる傾向にあること、また、リスク回避性向や高い時間選好をもつ人々には、歴史のある企業が外国企業に買収されることに対して拒否感をもつ傾向が見られることを明らかにした論文を国際学術誌に掲載した。 ・国際的M&Aが特定の地域間に偏っている理由として、都市の規模や距離の要因に加え、外国企業の集積、空港利用の利便性が対内M&Aを決定する上で重要な要因となることを明らかにした論文を国際学術誌に掲載した。 ・貿易制限(先端的半導体・製造装置・生産技術の外国への輸出禁止)、投資制限(投資・買収の制限)、外国企業に対する自国内での技術開発・生産の要求、産業の保護育成(補助金による自国内での半導体産業の育成)、ハイテク分野での知的財産の利用の制限が、米国・日本・EUの貿易相手国。貿易量の変化、中国・ロシアの貿易相手先国・貿易量の変化をもたらした論文を著書において紹介した。
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今後の研究の推進方策 |
知的財産権保護の強化や経済安全保障上の理由から、グローバルサプライチェーンの分断が進みつつあり、グローバル企業の貿易活動がオフショアリングの拡大から、フレンドショアリング、リショアリングへ転換し、事業活動に変化が見られている。貿易、技術取引の制限など、関連する国内外の制度変化、人々の選好、地域的特性などがグローバル企業の事業活動に与える影響に関して実証分析を進め、最終的な成果物を取りまとめる。この過程において、外部の研究者をスピーカーに招き、オンライン等によるセミナーを複数回開催し、関連する研究の報告や意見交換会を通じて、本研究の更新作業を進める。
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