研究課題/領域番号 |
20K01686
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 明海大学 |
研究代表者 |
原野 啓 明海大学, 不動産学部, 准教授 (30848495)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 不動産価格 / 中古住宅 / 建築後年数 / ノンパラメトリック推計 / 韓国ソウル市 / 台湾台中市 / 再開発 / 中古住宅市場 / 価格乖離 / 資産価値 |
研究開始時の研究の概要 |
日本において中古住宅流通市場の活性化は喫緊の課題である。なぜなら、日本の住宅価格は建築後の時間の経過とともに大きく低下するため、中古住宅の需要を高めることは資産価値の維持をもたらし、住宅購入後の人生設計を豊かにすることが出来ると考えられるからである。 しかし、日本の住宅取引において、築年数の経過によって住宅価格がどのように変化するのかは、必ずしも明らかではない。また、日本では住宅品質とは無関係に新築住宅価格と中古住宅価格が大幅に乖離すると言われているが、こうした乖離が本当に生じているのかどうかも不明である。 本研究は、日本において住宅の資産価値がどの様に変化しているのかを検討するものである。
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研究実績の概要 |
今年度は、昨年度実施した韓国(ソウル市)の不動産市場に対するの解析結果を踏まえて、現地視察・ヒアリング調査を行い、分析結果の解釈を行った。推計結果は、ソウル市内の不動産価格は、一定程度の築年数が経過すると住宅価格が上昇するというものであった。特に、ソウル市の中心部における価格は、価格上昇が顕著であり、当初の売却価格よりも価格が上昇するというものであった。現地でのヒアリングなどでは、こうした推計結果が実際に観察されるのか否か、またその理由と背景がどのようなものであるかについて確認することであった。
現地のヒアリング調査の結果、こうした分析結果は妥当なものであり、実際にソウルの不動産市場で観察されるものであるということが明らかになった。次に、こうした現象が生じる背景には、韓国での再開発の現状と制度的な特徴が影響していることが明らかとなった。特に、ソウル市中心部では、再開発を行った場合に容積率が大幅に上昇することがあり、その結果として、築年数が古く再開発の可能性が高まるほど、取引価格には再開発後の価格上昇分が織り込まれていることが指摘された。
こうした、制度的な違いが日本との違いを生み出していることの1つであると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナウィルスの流行により、海外でのヒアリング調査の実施が困難であったことが主な原因である。当初から、韓国・台湾を対象とした分析を行い、分析結果を踏まえて韓国・台湾での現地調査を実施することを予定していたが、海外出張が難しかったことが影響している。23年度は韓国(ソウル市)への出張を行うことが出来たので、さらに台湾での現地調査・ヒアリング調査を実施したい。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度、逢甲大学(台湾台中市)の土地管理学科での国際研究大会に参加し、現地の研究者との情報交換を行うことが出来たので、彼らに協力を得ながら、台湾(台北市・台中市)における不動産市場の分析を行いたい。また、分析結果を踏まえて、現地調査・ヒアリング調査を行い、分析結果の解釈および不動産市場の実態について確認する。また、これらの分析結果を踏まえて、日本の不動産市場との比較を通して、日本の住宅市場の特徴を明確化する。
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