研究課題/領域番号 |
20K01695
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
渡邉 正英 龍谷大学, 経済学部, 教授 (50434783)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 曖昧性 / 曖昧性態度 / 予防行動 / オンライン実験 / Web実験 / 経済実験 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、経済実験から抽出される曖昧性に対する態度と、人々の現実の行動との関連を実証的に検証する。人々の意思決定は曖昧性に敏感であることが、経済実験室での実験から明らかにされてきた。しかしながら、経済実験から抽出される曖昧性態度と現実の行動との関連に関する実証研究は限定的で、その外的妥当性は明らかになってはいない。そこで本研究では、学生だけではなく幅広い属性を持つ被験者を対象とした大規模なオンライン経済実験から抽出する曖昧性態度と、防災・健康・環境に関わる行動との関連を実証的に検証する。
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研究成果の概要 |
本研究ではオンライン実験で抽出した曖昧性態度と水害対策行動との関連を実証的に検証した。得られた結果は以下である。1)人工的な曖昧性よりも自然的な曖昧性に対して人々は確率を識別できない傾向がある。2)利得領域では人工的な曖昧性よりも自然的な曖昧性を強く回避する。損失領域では曖昧性愛好的であり、自然的な曖昧性と人工的な曖昧性の間でその程度に差は見られない。3)認知反射能力が低い人ほど、曖昧性下において確率を識別できない。4)確率を識別できない人ほど水害対策行動をしない傾向がある。一方、曖昧性回避と水害対策行動には統計的に有意な関係は見られない。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
曖昧性下の行動の理解や予測において曖昧性態度は重要な役割を果たす。曖昧性態度と現実行動との関連を検証した先行研究の多くは、利得領域での金銭くじに関連する人工的な曖昧性を対象としていた。本研究は、利得および損失領域で自然的および人工的な曖昧性に対する曖昧性態度を抽出し、水害対策行動との関連を大規模なオンライン実験から検証した。曖昧性態度は曖昧性をもたらす要因や結果領域に依存することが知られているため、本研究結果は曖昧性下の行動の理解において新たな知見を提供するものと考えられる。
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