研究課題/領域番号 |
20K01703
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07050:公共経済および労働経済関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
玄田 有史 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (90245366)
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研究分担者 |
川上 淳之 東洋大学, 経済学部, 教授 (20601123)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 兼業 / 副業 / 契約 / 労働市場 / 多様性 |
研究開始時の研究の概要 |
「副業」は本業の補助として位置付けられることが多かったのに対し、今後同一個人による「複合的(multiple)」な仕事(jobs)と技能(skills)の組み合わせの拡大が期待される。本研究では、本副関係にとどまらない複業が、個人と企業にもたらす経済効果とは何か、及び複業が社会全体での労働時間や労働力の効率的・公正的な分配にもたらす影響とは何かを学術的「問い」とし、問いへの答えを多様なデータを用いた多面的な実証分析により追求する。その上で実証分析と経済学の契約理論の両面により、複業が経済厚生を改善するための制度と政策を明らかにする。
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研究成果の概要 |
2020年代をピークに今後、人口減少の加速化が確実な日本社会において、就業件数の確保・拡大と労働生産性の持続的向上の実現が、喫緊の課題となっている。その際、課題克服の切り札の一つとして重要性が高まると予想されるのが「複業」のあり方である。従来「副業」は本業の補助として位置付けられることが多かったのに対し、今後は同一個人による「複合的(multiple)」な仕事(jobs)と技能(skills)の組み合わせとしての複業の拡大が期待されることを想定し、本研究は「複業」の用語に新たに着目する。それによって本研究は、労働経済学に複業研究という新たな分析軸の構築を目的とした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
研究では、二項の本副関係にとどまらない多項的な複業が、個人と企業の双方にもたらす経済効果とは何か、さらには複業が社会全体での労働時間や労働力の効率的・公正的な分配にもたらす影響などを考察した。実証分析と経済理論により、複業が経済厚生を改善するためのカギには技能形成のあり方が重要であることなどを見出し、今後の雇用政策に一定の示唆をもたらした点に研究の学術的意義がある。これらの研究の結果として、複数の論文が刊行された他、主要な成果である川上淳之著『「副業」の研究―多様性がもたらす影響と可能性』(2021年、慶應義塾大学出版会)が労働関係図書優秀賞を受賞するなど、高い社会的意義を有する研究となった。
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