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病院勤務医師の行動変化に関する実証分析

研究課題

研究課題/領域番号 20K01704
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分07050:公共経済および労働経済関連
研究機関一橋大学

研究代表者

本田 衞子  一橋大学, 経済研究所, 非常勤研究員 (00812364)

研究分担者 臼井 恵美子  一橋大学, 経済研究所, 教授 (50467263)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワード医師 / 医師届出票の届出率 / 女性医師 / キャリア経路 / 病院従事 / 選択する診療科 / 医師届出票の提出状況 / 女性医師の増加 / 病院勤務 / 補償賃金仮説
研究開始時の研究の概要

本研究では「医師・歯科医師・薬剤師調査」を用いて、医師のキャリア経路について計量的な実証分析を行う。医籍登録番号などを用いることによって1975-2018年のパネルデータを作成する。病院勤務継続を選択する医師はむしろ増えつつあるのではないかという仮説を立て、そのような仮説が的確な状況認識か否かを含めて、パネルデータを用いて実証分析を行う。1975-2018年の間に女性医師は増加しており、女性医師の増加が男性医師のキャリア選択に影響を与えているかについての検証も必要である。病院医師が働きやすい環境を構築する方策実現の一助にすることを目指しつつ、補償賃金仮説の観点からの理論構築を行う。

研究実績の概要

令和5年度には、主に以下の研究活動を行った。
【医師届出票の届出率】1977年から2008年までに医籍登録を行った医師につき、1978年から2016年までの偶数年の医師届出票の届出率(提出率に相当する)推計を男女別かつ医籍登録年コーホート別に行った。1977-1978年に登録を行った医師については1978年から2016年までの調査につき20回分の推計、1979-1980年登録者については1980年から2016年までの19回分の推計・・・2007-2008年登録者については2008年から2016年までの5回分の推計を行った。医籍登録年ごとに推計対象の回数が異なる。対象となっている全ての医籍登録年について推計を行った、医籍登録直後の調査から5回分の調査について、異なる医籍登録年ごとの届出率比較を行うことができた。どの医籍登録年であっても、女性の届出率は男性の届出率よりも低い傾向にあることを示した。また、男女とも登録後年数の経過に伴い届出率は低下してから上昇する傾向にあるが男女では上昇傾向が異なること、男女とも届出率が改善しているが、女性のほうが改善の程度が大きい傾向にあることがわかった。
【初職時の就労環境とその後のキャリアとの関係についての研究】労働経済を専門とする研究者(海外研究者2人を含む)を招聘し、初職時の就労環境がその後のキャリアに与える影響について意見交換を行い、医師のキャリア分析において分析手法を応用できるかを検討した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

【医師届出票の届出率】先行研究の医師届出票の届出率の推計では、生存率を考慮した届出率については特定の調査年で異なる医籍登録年の届出率を示すにとどまっている。一方、今回、異なる医籍登録年につき登録直後の調査から5回分の調査について推計を行うことで、医籍登録後からの経過年数を固定して異なる医籍登録年ごとの届出率の比較や、医籍登録年ごとの経年に伴う届出率の変化を把握することができた。

今後の研究の推進方策

医師のキャリア経路として、若年期には病院に勤務し、10年以上の経験を積んだ後に診療所を開設するというパターンが典型的だと言われてきたが、診療所開設を急ぐようになったという指摘がなされるようになった。キャリア形成に変化が生じているという指摘を踏まえて、男女別、かつ医籍登録年コーホート別に医籍登録時から一定期間継続して病院に従事する医師について分析を行い、性別を問わず後年のコーホートほど病院からの離脱が加速しているという指摘は当てはまらないことを示した。女性医師は増加しているものの、医師全体で確認した場合でも、医師の病院離脱が早まるという現象は生じていない。また、同一の医籍登録年コーホートの医師につき男性と女性とを比較し、男性よりも女性が早い段階で病院から離職していることがわかった。
この長期に渡る男女のキャリア経路分析過程の中で、女性医師の届出票の届出率は男性医師よりも低いのではないかと予想を持ったことから届出率の分析を行うことにした。「5.研究実績の概要」に示す通り、届出率分析についての結果も得られており、今後、当該成果の公表を行いたい。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2022 2021 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件、 招待講演 4件)

  • [雑誌論文] 医師の病院離脱傾向は高まっているのか -医師届出票のパネルデータを用いた分析 -2022

    • 著者名/発表者名
      本田 衞子
    • 雑誌名

      経済研究

      巻: 73 ページ: 306-318

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 医師専門医資格取得の男女差と医療現場の課題2020

    • 著者名/発表者名
      臼井恵美子、羽衣杉雄
    • 雑誌名

      経済研究

      巻: 71 ページ: 358-376

    • NAID

      40022390588

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] Effects of Mandatory Residencies on Female Physicians’ Specialty Choices: Evidence from Japan’s New Medical Residency Program2022

    • 著者名/発表者名
      Emiko Usui
    • 学会等名
      Asian and Australasian Society of Labour Economics
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 女性医師のキャリア選択と医療現場の課題2022

    • 著者名/発表者名
      臼井恵美子
    • 学会等名
      東京大学特別公開講座
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 女性医師のキャリア選択と医療現場の課題2022

    • 著者名/発表者名
      臼井恵美子
    • 学会等名
      北海道医師会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 女性医師のキャリア選択と医療現場の課題2021

    • 著者名/発表者名
      臼井恵美子
    • 学会等名
      日本経済学会 2021年度春季大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 女性医師のキャリア選択と医療現場の課題2021

    • 著者名/発表者名
      臼井恵美子
    • 学会等名
      第46回日本外科系連合学会学術集会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 招待講演

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

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