研究課題/領域番号 |
20K01706
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07050:公共経済および労働経済関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
宮崎 智視 神戸大学, 経済学研究科, 教授 (20410673)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 公共投資 / 財政政策 / 財政乗数 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、長期停滞経済下における市町村の財政乗数の計測を行うことである。より具体的には、阪神・淡路大震災と東日本大震災を対象とし、市町村データを用いて財政乗数を計測する。 従来の財政乗数に関する研究とは異なり、二つの大震災を「自然実験」として捉え、市町村別かつ産業別データにより財政乗数を計測する。とりわけ、ゼロ金利制約下でなされた東日本大震災の復興投資が、「震災復興」と「経済再生」という二つの政策目標を同時に達成できたのか否かも検証する。
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研究成果の概要 |
本研究では、阪神・淡路大震災と東日本大震災とを対象として、復興投資が雇用に与える影響を分析した。まず、阪神大震災の復興投資については、アウトカムとした労働(就業者数)に対して復興策が統計的に有意な結果を得ることができなかった。次に、東日本大震災の復興投資については、2期間のDID分析では一部の結果について、マッチング推定ではすべてのケースについて復興投資が雇用に与える効果が有意に正に推定された。両者の結果の違いの理由は、東日本大震災はゼロ金利下での公共投資であったため、金利上昇に伴うクラウディング・アウトが生じなかったことに求められよう。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
昨今、震災復興投資に関する研究は、多くの研究者の関心を集めている。金融政策がゼロ金利制約に直面している期間と、それ以外の期間での財政政策の効果の違いは多くの経済学者が指摘しているものの、復興投資の効果を比較した研究は試みられていないようである。近年地域データを用いた財政乗数の計測も試みられるようになったものの、基礎自治体レベルの研究は例が少ない。 以上を踏まえると、本研究は、①多くの研究者が着目する震災復興策に焦点をあて、②ゼロ金利とそれ以外の期間における財政乗数の比較を、③先行研究が稀である基礎自治体レベルを対象に試みる、との点で学術的・社会的に意義があるものと考えられよう。
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