研究課題/領域番号 |
20K01708
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07050:公共経済および労働経済関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
福澤 勝彦 長崎大学, 経済学部, 教授 (00208935)
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研究分担者 |
藤田 渉 長崎大学, 経済学部, 客員教授 (30264196)
宇都宮 譲 長崎大学, 経済学部, 准教授 (60404315)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | サプライチェーン / アジア / 雇用 / 労働のモジュール化 / グローバル / モジュール / アーキテクチャー / 雇用システム / 人的資源 / 労働経済学 / 労働法 |
研究開始時の研究の概要 |
グローバル化なサプライチェーンの拡大と共に雇用の多様化や労働市場の分断(正規と多様な非正規労働者)が進展している。このような変化を本研究では労働のモジュール化(インプットとアウトプットの定型化)という視点で捉えようとするものである。それらは、産業社会が成熟した先進国ではなく、むしろ後発のアジア地域で先進的にみられるのではないかという観点から、新たな労働の姿をアジア諸国から明らかにするものである。
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研究実績の概要 |
2020年2月期以来のcovid-19は世界的問題となり各国の経済、貿易に多大な影響を及ぼした。特に生産の混乱による供給寸断や港湾機能の低下などはわが国のグローバル・サプライチェーンに大きな混乱をもたらし、種々の課題を浮き彫りにした。この間2年以上の期間を経て、継続するcovid-19ショックの分析に資する経済データの蓄積などによりわが国経済のグローバル・サプライチェーン依存状況を説明するデータの利用が可能になっている。 本研究の一つのテーマはショックの多国間・産業間の輻輳に着目し、需要端でもあり、またグローバル・サプライチェーンのノードでもあるわが国の輸入額変動のショック期間中の特徴を抽出することである。これはチェーンを伝わる衝撃の大きさを定量的に測るための一つの方法であり、振幅である実輸入額データに対して振動の位相情報を抽出しようとする試みである。二つ目のテーマは上記の貿易を背景とした経済変動が雇用に及ぼした影響の分析である。 貿易データの利用については、ショックの前後での貿易まで含めたわが国の産業構造の変化を追えるようになった。すなわち、雇用などへの影響についてもある程度貿易の影響を覗える分析方法を検討できる時期になったので雇用への影響分析を行い特に有効求人倍率と、貿易を含むデータとの相関上に生じるヒステリシスがあることがわかった。短期的な景気後退において上昇時の経路を逆に辿るのか、別な経路を辿って後退するのかという傾向であるが、そこにグローバル・サプライチェーンの影響を定性的な分析も含めて考察した。現在も分析を継続中である。 また、令和3年度までに全く実施できなかったアジア地域の調査を年度末にかけて実施することができた。調査では統計データの収集、ヒアリングなどを実施し数量的データ、質的データの蓄積を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
covid-19の影響でアジア地域の調査が遅れていたが、令和4年度に一部を実施することができた。また、研究期間を1年延長したことで、調査の成果を令和5年度に活用できる状況となった。統計データを用いた研究については、いくつかの結果を得ており概ね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度の研究成果を踏まえ、現在の統計データに基づく研究をさらに推進することとアジア地域の調査研究の成果を整理し、必要があれば補充の調査の実施を中する予定である。なお、その成果は学会で報告予定である。
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