研究課題/領域番号 |
20K01710
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07050:公共経済および労働経済関連
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研究機関 | 桃山学院大学 (2022-2023) 敬愛大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
米田 紘康 桃山学院大学, 経済学部, 准教授 (90709312)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | fMRI / 医療経済学 / 神経経済学 / 行動経済学 / リスク |
研究開始時の研究の概要 |
経済学が想定する「不確実性」と医療上の「不確実性」を同質ものか異質のものかをfMRIを用いて検証する。これによって、以下の3点の貢献がある。 ・神経経済学手法を用いることで、行動や口頭では表出されない潜在的選好を記録できる。 ・この手法を用いることにより、患者(医療サービスの消費者)のリスク態度を判別し最適な医療資源の配分方法について貢献する。 ・患者の求める治療法や新薬・医療技術をより正確に評価できることで、患者が望む医療を把握・提供する。
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研究実績の概要 |
経済学が想定する「不確実性」と医療上の「不確実性」を同質ものか異質のものかをfMRIを用いて検証を目的とする。これによって、以下の2点の貢献がある。1つめはリスク愛好的な治療の選好する消費者(患者)とリスク回避的な消費者(患者)の特徴を判別し、最適な医療資源の配分について考える。2つめは、患者(医療サービスの消費者)の求める治療法や新薬・医療技術をより正確に評価できる ことで、医薬品産業が効率的に開発することが可能となる。 交付初年度からコロナの影響で思うように実験室を用いた研究が遂行できなかった。そこで本研究の位置づけを明確にするため、医療経済分野における実験・行動経済研究の整理をおこないながら、実験の準備を急いでいる。 たとえば行動経済学の先行研究では、男性の方が時間割引率は高くなり、さらに高年齢になるほど時間割引率が高くことが示されている。これらは将来の報酬や満足を低く評価することを意味し、患者が治療方針説明を受ける上で考慮すべきである。 さらに時間非整合の問題を考慮する必要がある。時間非整合とは、当初に設定した契約や決断などが将来に最適でなくなることである。医療の観点から言えば、後悔という表現と類似している。これらを解消することで、患者に適切な治療方針の説明ができるかもしれない。このような適切な説明をおこなうにあたって、説明の内容が適切なのか、与えられた選択肢の中から最適なものを選べなかったのかなどについて区別する必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究課題は実験研究である。COVID-19の影響によりほぼ密室となる実験室で経済実験をおこなうことが難しくなった。そこで調査研究を補完的に導入している最中である。当該年度では、実験研究を上手く再開することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
実験研究を引き続き再開にむけて準備していく。ただし数十名が収容される実験室での接触を避けるために、空席を設けることになると実験回数が増えることが予想される。できるだけ早期に結果を出せるようにする。なお、現状着手している調査研究も仕上げることができるように努める。
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