研究課題/領域番号 |
20K01713
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07050:公共経済および労働経済関連
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
国枝 繁樹 中央大学, 法学部, 教授 (40304000)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 金融税制 / 企業税制 / 資産選択 / 認知能力 / デジタル課税 / 財務政策 / 行動経済学 / コーポレート・ファイナンス |
研究開始時の研究の概要 |
我が国の家計の資産形成と企業の財務政策に関する税制のあり方につき研究を行う。 ① 高齢者も対象に含めたインターネット調査等を実施し、家計の資産選択を分析し、高齢者の認知能力低下等も勘案した金融税制のあり方につき具体的な提言を行っていく。 ②内部留保の蓄積も含む日本企業の財務政策に対し、企業税制が与えている影響につき分析を行い、企業税制のあり方(内部留保課税の是非その他)につき考察する。
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研究実績の概要 |
本研究においては、我が国の家計の資産選択に関する分析を行い、金融税制のあり方につき具体的提言を行い、また、企業行動に対する税制のあり方についても研究を行う。 令和3年度までには、代表研究者(國枝)の実施したインターネット調査を用いて、年齢、認知能力およびリスク回避度と、高齢者の資産選択の関係を分析した論文を執筆した。同論文では、計数能力が60歳前半より低下するが、教育水準の高い男性は、計数能力について自信過剰となることを明らかにした。また、計数能力、自信過剰の度合いや教育水準が高い個人は、リスク投資の割合が高くなる傾向が高いことを示している。 本研究の3年目にあたる令和4年度には、特に企業税制の研究を集中的に行った。企業税制の研究については、デジタル企業への課税の改革を含む企業課税の歴史的改革が行われていることを踏まえ、完全価格差別の場合のデジタル課税の影響の分析を、研究の中心とすることにし、執筆論文を日本経済学会、日本財政学会、International Conference on Public Economic Theory (仏マルセイユ)、国際財政学会(IIPF、墺リンツ)で発表し、国際企業課税の権威であるDevereux 教授から貴重なコメントを得た。 コロナの影響もあり、研究期間を延長した令和5年には、上記の研究成果を踏まえ、我が国の令和4年12月に決定された金融税制改革の問題点につき分析し、その結果を、日本証券経済研究所より出版された論文集において公表した。 また、企業税制に関する研究成果については、令和6年度中にデジタル企業への課税に関する論文を、国際学会で報告する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナの影響により、内外の学会参加が難しくなったことなどにより、最新の研究動向の把握や研究成果の公表機会が制限され、研究の進展が遅れた。また、金融税制については、当初の計画の翌年より、大幅な株式優遇税制の改革(NISAの拡充等)が行われることとなったため、その内容および影響の分析を行う必要が生じた。このため、研究期間を延長し、株式優遇税制の改革の分析を行い、その成果を令和5年度に発表した。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は、金融税制と企業税制の研究を2つの柱としており、金融税制については、上記のように、令和5年1月の株式優遇税制の改革の問題点も含めた分析を発表したところである。もう一つの柱のデジタル課税等の企業税制の研究については、令和6年6月の国際学会で、デジタル企業への課税の改革に関する研究成果の報告を行う予定となっている。
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