研究課題/領域番号 |
20K01714
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07050:公共経済および労働経済関連
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
江口 匡太 中央大学, 商学部, 教授 (50302675)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 選挙制度改革 / 小選挙区 / 中選挙区 / 衆議院 / 参議院 / 政党 / 選挙公報 / 小選挙区制 / 中選挙区制 / 選挙 |
研究開始時の研究の概要 |
1996年の衆議院選挙から小選挙区制が導入された。旧中選挙区制では、一つの政党が政権を獲得するには同一選挙区で複数の候補者を立てる必要がある。そのため候補者は同一政党の他の候補者と差別化する必要性から、後援会を組織し、地元への利益誘導を図ってきた。小選挙区制へ移行すれば、この傾向は弱まり、政党対決の構図が強まる結果、政党の公約や党首の魅力がより重視され、地元への利益誘導よりも安全保障や外交など国家の政策が議論されやすくなると言われている。実際、日本の政治は大きく変容したと言われるが、未だ印象論によるところが大きい。本研究は「選挙公報」の候補者のメッセージを通して、この仮説を計量的に検証する。
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研究成果の概要 |
1983年から2014年までの選挙公報を用いて、1994年の衆議院選挙制度改革の影響を検討した。各候補者の候補者名と政党表示の大きさを測定し、差の差推定(DD)を用いて改革前後での変化に着目した。その結果、参議院と比較して衆議院の候補者は改革後に候補者名を小さく、政党ラベルを大きく表記しており、標準的な理論の予想と一致していた。しかし、自民党と非自民党の候補者を比較すると、自民党の候補者の方が非自民党の候補者よりも候補者名が大きく、政党名が小さいことがわかった。このことは、自民党の候補者は他党の候補者に比べて、従来型の候補者主導の選挙運動や政治活動を比較的維持していることを示唆している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
衆議院で小選挙区制が導入され、日本の政治は大きく変容し、政党執行部の主導性を強めたと言われているが、定量的な分析によって根拠づけられたものではなく、小選挙区制へ移行してかなりの時間がたつものの、定量的な分析は未だ不十分である。本研究の意義は、「選挙公報」の掲載内容の変化に注目してデータベースを作成し、先行研究に比べてち密な計量分析を行うことによって、全体としては理論が想定するように政党主導が進んでいるものの、自民党ではむしろ従来型が根強く残っていることを示し、日本の政治は変化しているものの、長年政権を担ってきた自民党の変化は緩やかなことを示したことにある。
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