研究課題/領域番号 |
20K01718
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07050:公共経済および労働経済関連
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研究機関 | 関東学院大学 |
研究代表者 |
吉田 千鶴 関東学院大学, 経済学部, 教授 (70339787)
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研究分担者 |
前田 正子 甲南大学, マネジメント創造学部, 教授 (20596192)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 生活時間 / 時間帯 / 就業 / 保育 / 時間配分 / 子ども |
研究開始時の研究の概要 |
夫と妻の就業の時間帯のパターンと推移を検証し、就業の時間帯と家族形成、育児との関係を探ることを通じて、仕事と家庭の両立支援策について具体的な提言を目指す。認可保育サービスは昼間のものが多く、深夜の就業は、就業と育児を両立するうえで大きな障害になるが、経済学の観点から就業の時間帯を分析した先行研究は少ない。誰が好ましくない時間帯に就業しているのか、就業時間帯の違いによって家族形成や育児において格差が生じているのかという問いに対する答えは十分には明らかになっておらず、これについて知見を得ることを目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究は、夫と妻の就業時間帯のパターンと推移を検証し、就業の時間帯を規定する要因や就業の時間帯と家族形成、育児との関係を探ることを目的としている。2022年度は次の2つを実施した。第一に、就業時間帯を規定する要因のひとつ、長時間労働の抑制に関する分析である。「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」策定から10余年が経過し、長時間労働抑制の推移、長時間労働の男女差や子どもの存在との関係について実証分析を行った。使用したデータは、2004年に日本で実施された全国調査『結婚と家族に関する国際比較調査』の第1次調査と、その調査を2019年までフォローアップ調査した合計5回分の調査の個票のデータである。長時間労働確率について、ロジット回帰固定効果モデルと変量効果モデルを使用した分析の結果、有配偶であることや幼い子どもがいることで家庭内活動に時間が必要であるときの時間の調整は、主に女性が行っているという性別役割分業に大きな変化は見られない。しかし、2010年から2013年ごろに中規模の企業で長時間労働抑制の傾向が見られ、2019年には、企業規模を問わず、長時間労働確率低下がみられた。男性の長時間労働確率は、2007年から2019年の期間、統計的に有意な低下がみられた。 第二に、夜間保育の実態を知るため、2022年の9~10月にかけて認可の夜間保育園(午前2時まで預かり)と企業主導型保育園(午前4時まで預かり)の2か所の保育園の保護者を対象にインターネットで調査を実施した。利用世帯77のうち49世帯から回答を得た。親の回答からは、夜間子どもを預ける場所がないと親が働けなくなることが伺えた。さらに、数人の親は子どもだけで留守番させることになると回答していた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2022年に、就業時間帯の規定要因の一つ長時間労働の推移と子どもとの関係を実証分析し、また、夜間保育園の保護者対象にインターネットで調査を実施できた。調査を実施した保育園以外の夜間保育園へのヒアリングを進めたいと、考えていたが、コロナで様々な制限があり、それは実施できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今後、2022年度に行った実証分析をすすめ、夜間就業者の結婚や出産意欲、保育をだれが担っているのか、誰が深夜不在の職へ移動するのか、これらについて知見を得ることを予定している。また、夜間保育園へのヒアリングを実施し、夜間の保育ニーズの把握をさらに進める予定である。
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