研究課題/領域番号 |
20K01724
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07050:公共経済および労働経済関連
|
研究機関 | 滋賀大学 |
研究代表者 |
佐野 洋史 滋賀大学, 経済学系, 教授 (50502316)
|
研究分担者 |
後藤 励 慶應義塾大学, 経営管理研究科(日吉), 教授 (10411836)
森 宏一郎 滋賀大学, 経済学部, 教授 (90637307)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | 医師 / 産婦人科 / 小児科 / コンジョイント分析 / 勤務条件 |
研究開始時の研究の概要 |
産婦人科と小児科は医師確保が特に困難な診療科であり、他の診療科と比べて勤務時間が長くて当直回数が多く、女性医師の割合が高いという特徴を持つ。本研究は、コンジョイント分析により、産婦人科・小児科医師が就業先の選択の際に重視する勤務条件を定量的に把握する。本研究により、勤務時間の短縮、夜間当直の軽減などの勤務条件改善策や、院内保育所の利便性向上などの女性医師支援策のうち、産婦人科・小児科医師とその女性医師の確保のために最も有効な施策を明らかにする。
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は、コンジョイント分析により、産婦人科・小児科医師が就業先の選択の際に重視する勤務条件を定量的に把握し、各診療科の医師とその女性医師にとって有効な就業促進策を明らかにすることである。 当該年度は、まず産婦人科医師11名へヒアリング調査を実施し、産婦人科医師の勤務実態について地域別の差異等を詳細に把握した。そして得られた知見を基に、作成中であった産婦人科医師へのアンケート調査票を完成させた。次に、日本産科婦人科学会と日本医師会の協力を得て、全国の産婦人科医師へアンケート調査を実施した。インターネットを利用した2ヶ月間のアンケート調査の結果、約1250名の産婦人科医師から回答を得られた。 当該年度の本研究の意義は、アンケート調査における就業先の選択質問をヒアリング調査に基づき産婦人科医師の勤務実態に即した内容に修正したこと、そして全国の産婦人科医師へアンケート調査を実施したことである。得られた回答データを用いて、産婦人科医師は就業先の選択においてどのような勤務条件を特に重視するのか、また、どのような勤務条件を揃えれば実際に病院が産婦人科医師を確保できるのかを明らかにできる。 当該年度の本研究の重要性は、アンケート調査の回答結果を分析することにより、勤務時間の短縮、夜間当直やオンコール待機の免除、他職種との業務分担、院内保育所の24時間化といった勤務条件改善策・女性医師支援策のうち、産婦人科医師の確保のために最も有効な施策を解明できるようになったことである。本研究では勤務条件に対する医師の選好を金銭価値(便益)で把握するため、各施策の費用対便益を検討した上で最も実施すべき就業促進策を提言することができる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当該年度は、多数の産婦人科医師へヒアリング調査を行い、得られた知見を基にアンケート調査票を完成させた。そして、産婦人科医師が重視する勤務条件を明らかにするためにアンケート調査を実施し、約1250名の産婦人科医師から回答を得られた。 しかし、ヒアリング調査を予定よりも多数の産婦人科医師に行い、さらにアンケート調査の実施期間を1ヶ月延長したため、アンケート調査の回答データの分析まで年度内に完了できなかった。また、産婦人科医師と同じく当該年度に予定していた小児科医師へのヒアリング調査とアンケート調査が実施できなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
次年度は、当該年度のアンケート調査で得られた産婦人科医師の回答データを分析する。また、小児科医師へヒアリング調査を行い、これまでに実施した文献調査の結果と併せてコンジョイント分析に用いる小児科医師へのアンケート調査票を完成させる。ヒアリング調査は、対面が難しい場合はオンラインで実施する等の工夫を図る。 完成させた調査票を用いて、全国の小児科医師に対して就業先の選択に関するアンケート調査を行う。アンケート調査は、多数の回答を得るために関係団体へ調査協力を依頼し、応諾を得た上で実施する。 産婦人科医師、小児科医師ともにアンケート調査の回答データを用いてコンジョイント分析を実施し、勤務条件に対する両科医師の選好を金銭価値で評価する。両科それぞれの調査・分析が終わり次第、両科の回答データをまとめて用いてコンジョイント分析を行う。解析結果から、産婦人科医師、小児科医師、そして両科の女性医師の確保に最も有効な施策を明らかにする。 以上の研究成果は、国内外の学会や学術雑誌にて発表する予定である。
|