研究課題/領域番号 |
20K01725
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07050:公共経済および労働経済関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
長谷川 誠 京都大学, 経済学研究科, 准教授 (50722542)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 国際課税制度 / 多国籍企業 / 外国子会社配当益金不算入制度 / 利益還流 / 利益移転 |
研究開始時の研究の概要 |
多国籍企業は企業グループ全体での法人税負担を軽減するために、税引前利益を高税率国から低税率国の関連企業へと移転する誘因を持つ(利益移転と呼ばれる)。また、海外子会社の利益を国内に還流させるために、親会社は子会社から配当やロイヤルティなどの支払いを受け取る(利益還流と呼ばれる)。本研究では、国際課税制度が多国籍企業の利益還流や利益移転に与える影響を実証的に分析する。そのために、2009年度税制改正における外国子会社配当益金不算入制度の導入や、近年の外国子会社合算税制や移転価格税制の改正など、国際課税制度に関する様々な変更を考慮しながら分析を行う。
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研究成果の概要 |
2009年度税制改正における外国子会社配当益金不算入制度の導入が、海外子会社から日本の親会社への配当・使用料・利子の支払いに与えた影響を分析した。税制改正によって、日本企業が所有する大部分の海外子会社にとっては、配当送金の際にかかる実効税率が低下した。この税率の低下に反応して、海外子会社は親会社への配当を増加させたが、使用料や利子の支払いは変化させなかった。そのため配当・使用料・利子を合わせた支払総額も増加したことを示した。この研究成果をまとめた論文を公表した。さらに、税制改正をきっかけに海外子会社(特に規模の大きな子会社)の利益移転が活発化したことを示し、研究成果を国際学術誌に発表した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、外国子会社配当益金不算入制度の導入が配当・使用料・利子といった複数の利益還流手段に与えた影響を包括的に分析している。この税制改正によって使用料・利子から配当へと利益還流手段の代替が起こる可能性を考慮すると、使用料や利子など配当以外の利益還流手段への影響を確認することの学術的意義は大きいと考える。さらに、本研究の成果はこの制度変更の政策評価に寄与し、さらに多国籍企業の利益還流行動についての理解を深めることに貢献できる点に社会的意義があると考える。
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