研究課題/領域番号 |
20K01732
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07050:公共経済および労働経済関連
|
研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
小島 寛之 帝京大学, 経済学部, 教授 (30328083)
|
研究分担者 |
浅野 貴央 岡山大学, 社会文化科学研究科, 教授 (40423157)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 不確実性 / ジニ係数 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究プロジェクトは、以下の4つの分析を行う。(a)Risk管理と産業組織理論を応用した医療保険制度の分析、(b)寿命のジニ係数に対するUncertaintyからのアプローチ、(c)健康寿命と所得とを補完的な性質と捉える選好の基礎づけ、(d)医療制度を(宇沢弘文の言う)社会的共通資本の一つに位置付けたときの政策的含意、以上4つの分析である。
|
研究実績の概要 |
2020年-2022年度の研究計画に基づき、以下のような研究を行った。 1.Asano and Kojima (2022) を国際的学術誌に投稿した。この論文は、ナイト流不確実性理論に確実性等価概念を拡張する研究である。応用として、Shaferタイプの belief functionを特徴づけることができる。これは数学理論ではあるものの、経済モデルへの応用が可能であり、論文では3つの応用を提示している。その中の一つは、不平等回避の経済モデルであり、ジニ係数とも関係が深く、本研究課題の成果の一つだと言える。この論文は改定要求を受けて再投稿し、現在審査中となっている。2. 研究責任者が2022年7月に、京都大学寄付講座「人と社会の未来研究院」のシンポジウム「社会的共通資本の未来」において、「経済学からみる社会的共通資本」という報告を行った。これは社会的共通資本に関する経済理論の研究であり、医療制度も包含するものであるから、本研究課題の成果の一つである。3. Chateauneuf et al.(2007)が提唱したNeo-additive capacityを、オリジナルとは異なるuncertainty loving( averse) によって公理化し、さらには非常に簡単な証明を与えた。この選好は、極端な結果に強い反応を示す選好であり、医療サービスに関する人々の選好を説明できる。現在は論文を微調整中であり、近日中に国際的学術誌に投稿する。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウィルスの影響により、対面による研究打ち合わせが大きく制約され、想定通り研究は進展しなかった。一方で、シンポジウム「社会的共通資本の未来」において、「経済学からみる社会的共通資本」という研究報告をできたことは大きな進捗であった。さらにbelief functionおよびNeo-additive capacityに関する研究を進展させたため、このように自己評価する。
|
今後の研究の推進方策 |
2023年度については、オンライン・対面両方での研究交流をしながら、前年度までに得られた研究成果を踏まえた上で、複数の研究を進展させる。
|