研究課題/領域番号 |
20K01735
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07050:公共経済および労働経済関連
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研究機関 | 国際大学 |
研究代表者 |
陣内 悠介 国際大学, 国際関係学研究科, 准教授(移行) (20723456)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 教育経済学 / 労働経済学 / 政策評価 / 格差 / 因果推論 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、世界に広がる教育格差を研究対象とし、教育効果に差が生じている根本的要因を、各国の詳細なデータと計量経済学モデルおよび国際比較分析によって明らかにするものである。本研究では、4つの差異(男女・国籍・制度・時間)が教育効果の差異につながっているという新たな仮説を立て、教室内実験を通して得られる独自性の高いデータと、多数の国々から構築する長期的なパネルデータ等を、多様な計量モデルで実証分析する。本研究から得られる成果は、教育経済学の研究分野に貢献するだけでなく、とくに開発途上国にとっては今後の成長のために必要な、より有効な教育政策づくりに結びつくものと期待できる。
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研究実績の概要 |
本研究は、先進国だけでなく開発途上国でも広がる教育問題を研究対象としている。教育が与える影響を、制度面そして男女差といった視点から分析する点に本研究の特色がある。とくに昨年度は、韓国およびモンゴルのデータを用いて、それぞれの国における教育的課題の分析に取り組んだ。より具体的には、韓国を対象とした研究では、詳細なパネルデータを用いて、個々人の教育水準や結婚および子供の有無が労働市場においてどのような影響を与えるのかを分析した。固定効果モデルを用いた推定結果では、結婚および子育てによって賃金に有意な差が生じること、およびこうした効果には男女差があることが分かった。一方のモンゴルを対象とした研究では、とくに女性の労働力供給に焦点を当て、教育水準および子供の有無によってどのような違いが生じるのかを分析した。操作変数法という手法を用いた推定結果からは、女性が働くことを意思決定するに当たっては、教育水準のみならず、結婚後の子供の有無が大きな影響を与え、子育て期間中は大きく労働力が減少することが示された。いずれの研究も、結婚後や出産後にも特に女性労働力の維持を考えるに当たっては政策的含意の大きな内容であり、日本や他国、とくに先進国だけでなく開発途上国の今後にとっても重要な示唆に富むと言える。いずれの論文も共著者とともに学会で研究成果を報告しており、今後さらなる精緻化を踏まえて、国際学術誌への投稿と出版を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
過去数年間、海外渡航が制限される中で学会報告や研究者との交流も大きな制約を受けてきた。一方で昨年からは渡航制限の緩和が進んだ結果、コロナ以来初めて海外学会に出席し研究成果を報告することができた。今後も、同分野の研究者からのフィードバックを大事にしながら、研究を進めていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後もオンラインおよび対面の双方のアプローチを活用しながら、研究者との交流を促進し意見をもらいながら、研究を推進していく予定である。また海外学会へも積極的に参加していきたいと考えている。
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