研究課題/領域番号 |
20K01744
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07060:金融およびファイナンス関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
北野 重人 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (00362260)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 新興国 / 資本規制 / 中国 / グローバル金融 / 2国モデル / 政策協調 / コモディティ / パンデミック / アジア / 国際金融 / 過剰債務 / マクロ政策 / 動学的一般均衡 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、世界経済の大きなリスク要因として近年関心の高まっている、いわゆる過剰債務の問題に関するリスクと、それに対応するマクロ政策について分析を行う。特に、新興国において民間部門の債務の増加が著しい状況を踏まえ、オーソドックスな財政・金融政策のみならず、新たな政策として注目されている資本規制政策やマクロプルーデンス政策を含めて、それに対応する新興国におけるマクロ政策の効果について包括的に検討するものである。
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研究実績の概要 |
本研究は、世界経済の大きなリスク要因として近年関心の高まっている、いわゆる過剰債務の問題に関するリスクを中心として、それに対応するマクロ政策について主に分析を行うものである。特に、新興国に内在するリスクとそれに対応するマクロ経済政策の効果について、包括的に検討することを課題としている。
新興国のマクロ政策として、グローバル化した世界経済の下では、金融政策等の既存の政策だけでは十分な対応が行えないという認識が、特に世界金融危機後、IMFを含めて国際機関、政策担当者、大学の研究者の間で、一般的になっている。こうした背景から新しい可能性を持つ政策の一つとして資本規制政策が注目され、様々な角度からの分析が進んでいるところである。
本年度の研究実績として、このように注目される資本規制政策について、特に中国についての実証分析を挙げることができる。local projection の手法を用いて、中国における国際資本移動に対する資本規制の効果について分析を行った。中国の株式取引における、中国居住者、並びに非居住者の売買に対する規制の効果について、それぞれのインパルス反応を求めて分析したところ、そのいずれについても、資本規制政策が資本移動に対して効果を及ぼしていたことを示す結果を得ることができた。一方、債券といった他の資産市場については、そういった効果は観察されなかった。本研究は、中国における資本規制政策が、資産市場別に異なる効果を持つ可能性があることを示唆している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究成果を国際学術雑誌に公刊することができたため、概ね順調に進展していると判断している。
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今後の研究の推進方策 |
世界的なパンデミックは、各国の信用緩和政策と相まって、新興国における民間部門の債務をさらに増加させ、内在するリスクを拡大させた。また、米国の金融正常化によって、債務国の利払い負担が増加したことにより、さらに新興国におけるリスクは拡大している。加えて、世界的なインフレの影響は、新興国にも大きな影響を及ぼしており、こういった様々な要因を考慮して、過剰債務に関するリスクと、それに対応するマクロ政策について分析を進めていく必要がある。
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