研究課題/領域番号 |
20K01754
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07060:金融およびファイナンス関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
菅野 正泰 日本大学, 商学部, 教授 (00551061)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 信用リスク / 複雑ネットワーク / 金融証券市場 / シンジケートローン / 新型コロナウイルス感染症(COVID-19) / SIRDモデル / 多変量DCC-GARCHモデル / ESG / J-REIT / ソブリンデフォルト / COVID-19 / 多変量DCC-GARCH / 中心性指標 / 地域別株価指数 / 信用連鎖リスク / ネットワーク構造 / 相互連関性 |
研究開始時の研究の概要 |
世界金融危機から10年超経過し、金融証券市場は相互連関性関連リスクの管理を強化してきた。この相互連関性がもたらす信用連鎖リスクを複雑ネットワーク理論を応用し計量分析する。国際金融規制上、相互連関性はシステミック・リスクの誘因とされ、デフォルト連鎖に対する対策が実施されている。他方、事業会社の財務的困難は証券・ローン取引等のネットワークを介して他の企業や金融機関に連鎖する。殊にシンジケートローンは信用連鎖リスクに晒されており、連鎖メカニズムの解明が急務である。本研究では、各経済主体の信用リスク管理上の課題解決に複雑ネットワーク理論を応用し、併せてわが国経済の付託に応えることを目的とする。
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研究成果の概要 |
金融証券市場のネットワーク構造の解明と信用連鎖リスク分析手法の開発を行った。まず、不動産投資法人向けシンジケートローン市場分析では、ネットワークモデルとストレステスト手法を開発し、ショックに対する適切なリスク管理の重要性を示した。次に、新型コロナウイルス感染症拡大による市場・企業・ソブリンの連鎖リスクを分析し、同感染数理モデルの開発により、感染拡大と東証株価指数が逆相関にあることを示した。最後に、ESGリスク要因が企業の信用リスクに与える影響度を分析し、リスク要因の中には、必ずしも企業の信用リスク削減に貢献しないものがあることを発見した。研究成果として、査読付国際学術誌に4編掲載した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
金融証券市場は、世界金融危機の経験を踏まえ、相互連関性によりもたらされるリスクの管理を強化してきたが、今次新型コロナウィルス感染症危機により、感染症という外的要因により、市場・企業は金融ネットワークを介したリスクの増嵩に見舞われた。本研究は、株式市場・シンジケートローン市場等における相互連関性がもたらす信用連鎖リスクを、複雑ネットワーク理論を使い計量分析し、借入れ企業の財務的困難が貸し手金融機関の財務健全性に及ぼす影響、およびネットワークを介した他の金融機関・投資家に及ぼす影響を解明した点で学術的貢献をした。
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