研究課題/領域番号 |
20K01759
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07060:金融およびファイナンス関連
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研究機関 | 名古屋商科大学 |
研究代表者 |
岩澤 誠一郎 名古屋商科大学, 経済学部, 教授 (30635743)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 期待形成 / バイアス / アテンション / 株式市場 / マネードクター |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、日本の株式市場のプロの市場参加者を対象として毎月実施されているアンケート調査「QUICK月次調査<株式>」の個票データを活用し、プロの市場参加者の株価予想と情報処理のバイアスを明らかにすることである。本研究では特に、1)証券会社や投資信託などが、顧客をリスク資産への投資に向け誘導するべくミスリードするような株価予想を行う誘因を持っていること、2)人は意思決定にあたり有用であるがセイリアントでない(顕著性の低い)情報を無視・軽視することがあること、の二点を手掛かりに、そのバイアスを見出すことを目指す。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、日本の株式市場のプロの市場参加者を対象として毎月実施されているアンケート調査「QUICK月次調査<株式>」の個票データを活用し、プロの市場参加者の株価予想と情報処理のバイアスを明らかにすることである。特に本研究では、1)証券会社や投資信託などが、顧客をリスク資産への投資に向け誘導するべくミスリードするような株価予想を行う誘因を持っていること、2)人は意思決定にあたり有用であるがセイリアントでない(顕著性の低い)情報を無視・軽視すること、の二つの点を手掛かりに、そのバイアスを見出そうとする。これまでに類例が少ない、株価予想のサーベイの個票データを活用したプロの予想のバイアスの研究である点が学術的な意義であり、プロによる株価予想情報に関する一般投資家のリテラシー向上に資するという社会的な意義も持つ研究である。
2023年度も2022年度に引き続き、研究論文"Who Does Better/Poorer Stock Market Forecasts? Evidence from Japanese Professional Survey"の改訂作業を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
証券会社や投資信託の「マネードクター」による株価予想を、その他のプロ市場参加者による予想と楽観度、正確さ、ダウンサイドリスクに対する感応度の点で比較し、前者のバイアスを明らかにすることを目的に、この点を主題とする研究論文"Who Does Better/Poorer Stock Market Forecasts? Evidence from Japanese Professional Survey"を作成し、現在、改訂作業を行っているが、別のプロジェクトの作業に時間をとられたことが主因で作業は遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度はプロの市場参加者の株価予想における情報処理のバイアスを検証する研究を行う。プロの市場参加者による株価変動要因の評価の中で、株価の予測能力を持つ情報があること、そしてそうした情報が彼らの株価予想には必ずしも生かされていないことを明らかにする。この研究の予備的研究では「QUICK月次調査<株式>」の集計データを分析したが、2024年度はその個票データを用いた分析を行うとともに「QUICK月次調査<債券>」の個票データ分析の比較も加え、論文を作成する計画である。研究の推進に向け、共著者との共働機会を増やし、対応する。
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