研究課題/領域番号 |
20K01777
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07060:金融およびファイナンス関連
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研究機関 | 東京経済大学 |
研究代表者 |
小暮 厚之 東京経済大学, 経営学部, 教授 (80178251)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 健康リスク / 長寿リスク / 健康寿命 / 不健康期間 / 介護保険 / ベイズモデリング / 介護リスク / 平均寿命 / 将来生命表 / ベイズ予測モデリング / 統計モデリング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の概要は,要介護状態に応じた多相生命表を作成するための新たな統計モデルの構築とその応用である.超高齢化を迎えた我が国における長寿化は,要介護状態に陥るリスクの増大とともに進行している.構築したモデルに基づいて,そのような介護リスクと長寿リスクの関係を明示的に取り込んだ長寿リスクの評価と管理の方法について考察する.さらに,その考察を我が国データへ適用し,リバースモーゲージなどの金融・保険商品への応用可能性を議論する.
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,公的介護保険データに基づいて介護状態を考慮した長寿リスクの分析を行うことである.今年度(令和5年度)は研究期間の4年目に当たる.研究開始時に予定していた介護DBからのデータ取得は断念し,前年度に続き,現在公開されている介護保険データと人口統計データに基づいて研究を進めることとした. 昨年度に引き続き,「介護給付費実態調査」と「介護保険事業調査報告」から得られる性・年齢階級別の要介護度別認定者数の時系列データに着目し,多項ロジスティック回帰の枠組みを用いて健康状態と死亡を同時に分析する統計的枠組みについて考察した.本年度は,死亡率と不健康率の健康に対する対数オッズから時間要因を抽出し,それらがともに長期的に低下していることを明らかにした.また,2つの時間要因の依存関係を考察し,両者の間に明確な共和分関係はないことを確認した.また,パラメータ不確実性を考慮し.ベイズ統計による分析を試みた. この結果は"Dynamics of longevity and health status: An investigation by multinomial logit modeling with long-term care insurance data"というタイトルでAsia-Pacific Risk and Insurance Association の年次大会で報告した. また,昨年度から進めてきたベイズモデリングへの拡張に関して,"Bayesian Projection of Cohort Healthy Life Expectancies with Long-term Care Insurance Data”というタイトルで研究集会「第24回ノンパラメトリック統計解析とベイズ統計」で発表した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画時に予定していた介護DBからのデータ取得は断念せざるをえなかったが,既に公開されている介護関連データに基づいて死亡リスクと不健康リスクの時間的関係を捉えることができたため.昨年度の研究により,健康寿命と平均寿命の将来の推移を予測する可能性も示された.また,ベイズ・モデリングによる考察も比較的順調に進行している.
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今後の研究の推進方策 |
引き続き,介護給付費実態調査と介護保険事業調査報告から得られる性・年齢階級別の要介護度別認定者数の時系列データに着目し,多項ロジスティック回帰の枠組みを用いて健康状態と死亡を同時に分析する.これまでは男性データを分析の対象としてきたが,女性のデータの分析を加えて,男女間の相違について考察を行う.また,分析で採用するモデルリスクについても考察する.
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