研究課題/領域番号 |
20K01788
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07070:経済史関連
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
森 宜人 一橋大学, 大学院経済学研究科, 教授 (10401671)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 余暇 / トランスナショナル・ヒストリー / 歓喜力行団(KdF) / 厚生運動 / 都市ガバナンス / 20世紀都市 / 組織されたモダニティ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、トランスナショナル・ヒストリーとしての20世紀都市史研究の一環として、都市ガバナンスの視角からドイツの歓喜力行団(KdF)と日本の厚生運動の実態比較及び相互関係の考察を進めるとともに、両運動の形成を可能ならしめた歴史経路を明らかにし、両大戦間期の日独都市において余暇の組織化が共時的に展開され得たことの要因と、その社会経済史的意義を解明することにある。本研究は「組織されたモダニティ」論を介して20世紀社会を理解する上での都市史研究の意義を問いかけるとともに、日欧の日本都市史・ヨーロッパ都市史研究を架橋した20世紀都市史像を形成することが期待される。
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研究成果の概要 |
本研究では、両大戦間期の日独両都市において余暇の組織化が共時的に展開され得たことの要因と、その社会経済史的意義を解明するために、都市ガバナンスの視角からドイツの歓喜力行団(KdF)と厚生運動の実態比較及び相互関係の考察を進めた。分析視角の都市ガバナンスは、諸アクターの相互関係を通じて構築され、外在的・内在的要因により変動する都市空間の社会的秩序と定義した。両運動の実態と歴史経路の比較分析を通じて、KdFは、1920年代に展開された生活改善運動が、総力戦体制構築に資する厚生運動へと移行するための触媒として機能したことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
KdFと厚生運動に関しては、日独両国において分厚い蓄積があるが、その多くが両国の全体主義的な総力戦体制の構築過程を余暇の組織化から検討する一国史的な視座に立つものであった。両者の関係史を取り組んだ先行研究も存在するが、その分析は指導者の言説に限定されていた。本研究では、トランスナショナルな都市史の観点からKdFと厚生運動の実態と歴史経路の比較分析を行い、両大戦間期の日独都市において余暇の組織化が共時的に展開し得た要因と、その歴史的意義の一端を明らかにすることができた。
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