研究課題/領域番号 |
20K01791
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07070:経済史関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
ばん澤 歩 大阪大学, 大学院経済学研究科, 教授 (90238238)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 経済史 / ドイツ史 / 鉄道史 / 経営史 / 西洋史(ドイツ史) / ドイツ / 20世紀 / 鉄道 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、20世紀ドイツ鉄道史の展開に「地域」「グローバリゼーション」 「組織・制度・体制」の3つの視角からアプローチするべきだという認識にもとづくものである。 本研究では20世紀ドイツの鉄道業をその変遷に応じて4期(①第一次大戦前の邦有鉄道並 立期、②20年代~第二次大戦時のドイツ・ライヒスバーン期、③第二次大戦後・冷戦時代の 東西国鉄分裂期、④ポスト冷戦後の再統一・ドイツ鉄道会社期 に分け、それぞれについて複数地域間ならびに対外関係を軸に制度・組織や経済的機能を多様な視角から評価する。これにより、グローバリゼーション下の世界経済における組織・システムの統合や収束の史的パターンを探りたい。
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研究実績の概要 |
2023年度は本研究の最終年度にあたり、当初予定した通り、前年度に引きつづき、おもに20世紀前半におけるドイツ語圏鉄道と日本鉄道業(日本帝国圏鉄道業)の関係について、日独双方の史料(おもに公文書館所蔵史料)を用いて観察をおこない、一定の見取り図を描くことができた。それらはまず学会報告「戦前・戦中期日本鉄道職員の「ドイツ認識」と「ドイツ経験」」(社会経済史学会 第92回全国大会 2023年5月26日)や、報告「1920-30年代の満鉄とドイツ ―日本帝国圏鉄道の国際関係を考察するために」(第11回帝国圏鉄道史研究会東京大学 2024年1月26日)の形で公表されているが、いずれについても近刊の書籍(論文集)において公刊される予定である。これらにおいては日本鉄道業とりわけ南満州鉄道株式会社(満鉄)におけるドイツ鉄道業に対する技術面に留まらない関心の高さを再確認するとともに、ドイツ側(ドイツ・ライヒスバーン/交通省)における日本鉄道業へのきわめて低い関心を、国際会議における実際的な交渉過程においても指摘できた。これは従来の日独関係史において先行研究(工藤章の諸業績など)があきらかにした点を鉄道業について確認する意味をまず持つ。さらに一連の調査において、東アジアにおけるドイツ経済界の介在について、原資料による分析が可能になる状態に至っているため、今後この方面からも分析を試みる準備を整えられたといえよう。そうした成果は本年公刊したナチス・ドイツ経済史研究の課題を明らかにする研究と接合可能である。 ドイツ語圏鉄道業については、世紀転換期における「ドイツ語圏鉄道の統合」の可能性と合理性を現代の経営分析指標の援用により判定する論稿を(共同)執筆し、現在公刊に向けて準備中である。
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