研究課題/領域番号 |
20K01795
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07070:経済史関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
前田 廉孝 慶應義塾大学, 文学部(三田), 准教授 (90708398)
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研究分担者 |
伊藤 幹夫 慶應義塾大学, 経済学部(三田), 教授 (70184695)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 日本経済史 / 日本経営史 / 日本近代史 / 醤油醸造業 / 在来産業 / 髙梨兵左衛門家 / 価格連関 / 製品ポートフォリオ / ヤマサ醤油 / テクノロジー・フロンティア / 手印 / 時系列解析 / LASSO / スパース回帰 / ブランド / 市場統合 / 醤油 / 消費財 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,国内市場が拡大した20世紀転換期の都市・農村部における製品市場の重層的構造の内実と形成過程を醤油価格の分析から解明する。国内外の経済史研究者は1次産品の事例から市場の価格形成機能を検証してきたが,より多様かつ複雑な要因で価格が変動する製品の市場は考察されてこなかった。そこで本研究は,①東京醤油市場内における異ブランド間の価格連関,②関東地方都市・農村醤油市場内における異地点間の価格連関を考察する。以上の考察より,国内外で研究が立ち後れてきた製品市場における価格の形成機能と伝播過程が明らかにされ,製品の質的差異を伴った重層的な市場構造が解明されよう。
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研究成果の概要 |
本研究は,国内市場が拡大した20世紀転換期の都市・農村部における製品市場の重層的構造の内実と形成過程を醤油価格の事例より分析した。経済史研究者は1次産品の事例から市場の価格形成機能を検証してきたが,より多様かつ複雑な要因で価格が変動する製品の市場は考察してこなかった。そこで本研究は,近代的商品市場の形成期以降に大衆的な消費財としての地位を獲得した醤油に着目し,上花輪歴史館所蔵髙梨本家文書より作成した1887-1917年醤油価格データベースを分析した。具体的な研究課題として①醤油市場内における異ブランド間の価格連関,②関東地方都市・農村醤油市場内における異地点間の価格連関を考察した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は,現代に至るまで国内商品市場で大衆的な消費財として取引されている醤油に着目し,その価格形成メカニズムを分析した。従来の経済史研究も商品価格形成を分析してきたが,都市における1次産品(食料・原燃料)を考察対象としてきた。以上の先行研究とは対照的に,本研究は①農村,②最終消費財を分析対象とした点が特徴である。その成果として,第1に都市と対照的に農村市場における異地点間の価格連動性は低かったこと,第2に醸造家は農村市場向け低級品の販売拡大によって成長したこと,第3に低級品販売拡大を目的に醸造家は「印」と称された多様なブランドを市場へ供給していたことが解明された。
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