研究課題/領域番号 |
20K01800
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07070:経済史関連
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研究機関 | 創価大学 |
研究代表者 |
杉本 一郎 創価大学, 国際教養学部, 教授 (50546364)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 英領期シンガポール / 阿片 / 生活水準 / 長期経済統計推計 / 植民地政府財政行動 / 英領期ボルネオ / 英領期マラヤ / 英領期ビルマ / 数量経済史 / 政府財政行動 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は東南アジア地域の旧英国植民地マラヤ、北ボルネオ、ビルマにおいて「阿片」が植民地経済に与えた影響を、長期的経済統計の推計と関連史料の検証を通じて2つの視角から分析することにある。第1に、阿片を生活必需物品リストに含めた場合、消費者層の生活水準はどのように変化をするのか標準的な分析手法に当該地域の特殊性を加えた長期的趨勢を明らかにする。第2に植民地財政の基盤形成段階で主要歳入項目であった阿片と1920年代以降のORRRF等の財政投融資として機能した阿片の役割の変遷を通じて植民地行財政、更には英国本国、植民地間の資金の流れを分析し、植民地政府の財政行動について明らかにする。
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研究実績の概要 |
本構想の成果としてJournal of Southeast Asian StudiesというCambridge University PressのJournalより"Opium consumption and living standard of Singapore, 1900-1939"と題する論文の出版を達成することができた。この論文によって、これまでAllen等が適応してきたWelfare Ratioの基礎となる生存に必須なアイテムに阿片を含んだ時の解釈を展開することができた。
阿片消費とOpium Revenue Reserve Relacement Fundに関するデータベースの構築としては海峡植民地、マレー連邦州、マレー非連邦州からなる英領期マラヤ地域のデータ入力、推計作業の殆どを終え、また英領北ボルネオとサラワク州ににおける阿片消費に関連するデータの収集行うことができた。こうした取り組みにより、今後もシンガポールで行った研究と同じ視角から生活水準の比較研究を展開する基盤研究をすることができた。現在、論文の執筆に取り組んでおり、年内の投稿を目指している。一方英領期ビルマについてはBritish Partipamentary Paperが記録したいくつかの資料収集はできたがデータベースを構築するところまでは到達できなかった。 2020年度より4年間の研究実施ではあったが、国際会議での報告を通じて生活水準で扱う範囲、植民地行政における阿片の役割、相対的に高い一人当たりの実質GDPに対して、阿片を常習する非熟練労働者が生存レベルに達していなかった事実などを広く議論する機会を得たことは重要な機会となった。
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