研究課題/領域番号 |
20K01802
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07070:経済史関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
岩田 浩太郎 山形大学, 人文社会科学部, 教授 (30184881)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 特産物 / 紅花 / 染料 / 雨花 / 輪作 / 生産組合 / 農業遺産 / 文化財 / 価格変動 / 問屋 / 金融 / 養蚕製糸業 / 京都 / 化粧品 / 漢方薬 / 消費需要 / 商業的農業 / 奥羽 / 奢侈品 / 商人資本 / 経営能力 |
研究開始時の研究の概要 |
紅花の奢侈品としての商品特性をふまえて生産・流通・消費の全体が有機的に関連したシステムが事実上展開していたこと、それを実質的に主導したのは中央-地方(産地)で連携した商人資本であったこと、日常必需品と比較すると生産地も限られ市場が狭くリスクも高い奢侈品であるが故に中央-地方の商人資本が連携し産地育成・保全や消費需要の変化に対応した品質管理・技術指導などを緻密におこなう必要があり実行したこと、中央-地方の商人資本の連携と経営主体としての力量の蓄積は明治期の紅花から養蚕製糸への機敏な産業転換の主体的条件ともなったこと、などの特徴を考察する。
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研究実績の概要 |
第3年度(令和4年度)は、令和3年度実施状況報告書の「今後の研究の推進方策」で書いた、コロナ禍が続いた際の変更計画にしたがい、当初採択された研究計画調書及び交付申請書に記した第4年度(令和5年度)の研究計画を前倒しして実施した。すなわち、紅花生産農家の文書から流通・消費と結びついた生産現場の動向を考察した。コロナ禍をふまえ、研究代表者が在住する山形県内の中山町柏倉九左衛門家と東根市武田半十郎家の古文書調査を実施し、紅花の品質口上のための輪作や「雨花」という伝統知の活用、各農家の経営や賃摘など労働編成、村ぐるみの紅花生産出荷組合の実態につき分析を深めた。とくに、花摘みの前に雨が降ると花弁に赤い色素が多くなるとする伝統知が存在したことを江戸時代の古文書から確認し、当時の紅花生産農家は紅餅の銘柄に雨の字を入れて品質をアピールしたことをあきらかにできたことは大きな成果となった。そうした伝統知は京都紅花問屋や山形城下町の紅花商人から村山地方の農村へ伝達され生産者へ普及したことも解明した。 さらに、紅花関係を含む柏倉九左衛門家文書の整理保存事業と撮影を進めた。 そうした研究の成果の一部を講演や展示で発表した。雨花という伝統知に関する講演には紅花生産者の方々や山形県農林水産部の職員らも参加してくださり、有益な意見交換ができた。また、山形県及び農林水産省が取り組む「最上紅花」の世界農業遺産申請に協力し、その歴史的根拠を提供した。さらに、江戸時代に最多量級の紅花生産をした柏倉九左衛門家(国指定重要文化財旧柏倉家住宅)を活用した地域活性化事業に関する論考を発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
第3年度(令和4年度)も、第6波から第8派へとコロナ禍は続き首都圏・関西圏などで感染拡大がみられたため、研究代表者が在住する山形県や勤務校から、県外への出張につき禁止ではなくなったが可能な限りでの自粛が求められた(基礎疾患のある研究代表者自身の体調や家族の心配もあった)。そのため、当初第1~3年度(令和2~4年度)に予定していた京都や東北地方太平洋側・関東地方・中国地方などへの出張調査がほとんど進んでいない。このため、進捗状況は「遅れている。」を選択した。代わりに、山形県村山地方の旧家古文書の調査研究を前倒しして進めることができた。 こうした進捗状況から、今後の県外調査旅費が必要であり、それを最大限確保するため、第3年度(令和4年度)の研究経費の支出は極力抑えて次年度使用額へ繰り越す方針をとった。
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今後の研究の推進方策 |
第4年度(令和5年度=最終年度)は、コロナ禍のため第1年度(令和2年度)以来積み残している京都及び東北地方太平洋側・関東地方・中国地方などへの出張調査を実施したい。 新型コロナウィルスの感染症法上の位置づけが5類に引き下げられ緊急事態宣言を含む行動制限の措置はなくなったが、研究代表者自身の体調面から感染予防は引き続きおこないながら、是非各地の出張調査をおこないたい。ただし、これらの出張調査はもともと3年間かけて実施する分量があるため令和5年度だけでは終わらないことが十分に予測される。研究期間1年延長が必要な進捗状況となっており延長申請を予定している。研究期間の延長を予め含み込んで出張調査を中心とした研究計画を立てる。 さらに、今後の研究推進のために希望を述べるならば、1年延長をした研究期間が終わる時点(令和6年度末の段階)で再延長申請が(令和4年度までと同様に)制度的に措置されるならば申請したいと考えている(この場合、合計2年の研究期間延長となる)。各地の調査結果をふまえて、本研究のまとめをおこなう必要もある。 ちょうど新型コロナウィルスの感染が本格化した令和2年度から研究期間が開始となった本研究は、この3年間コロナ禍の影響を大きく受け続けており、是非合計2年間の研究期間延長の措置が(令和4年度まで実施されたと同様に、コロナ禍と研究期間が全く被さってしまった研究課題については)施されることを望みたい。
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