研究課題/領域番号 |
20K01803
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07070:経済史関連
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
鈴木 邦夫 埼玉大学, 人文社会科学研究科, 名誉教授 (50132783)
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研究分担者 |
大石 直樹 埼玉大学, 人文社会科学研究科, 准教授 (00451732)
大島 久幸 高千穂大学, 経営学部, 教授 (40327995)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 総合商社 / 三井物産 / 三菱商事 / 大倉商事 / 一手販売契約 / 一手買付契約 / 代理店契約 / 信用供与 / 商社依存 / 競争力 |
研究開始時の研究の概要 |
戦前、三井物産は取引高世界最大の商社に、三菱商事は世界第二位の商社に成長した。このような著しい成長の源泉は、組織(経営管理組織と営業組織)の構造、商品取引の制度、リスク管理・リスクテイクの制度、人事制度、給与・賞与制度だけでなく、これらの制度が複合的に作用して生まれた、出資により支配されている関係がなくても、メーカーが総合商社に依存せざるをえなくなる装置と考えられる。この独特な装置によって、総合商社は財閥の外のメーカーと広範な取引をおこない、それにより巨大商社に成長できた。本研究は、この装置を構成する様々な仕組みがどのようなものかを解明し、個々の仕組みがいつ生まれたのかを明らかにする。
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研究実績の概要 |
戦前の総合商社(三井物産、三菱商事、大倉商事など)は、組織(経営管理組織と営業組織)の構造、商品取引の制度(ルール)、人事制度(昇進、昇給)などそれぞれ独自の制度を作り上げただけでなく、これらの諸制度が複合的に作用することで生まれる仕組みを作り上げた。ここでいう仕組みは、メーカーが総合商社に依存せざるをえなくなる仕組みである。仕組みは、製品販売の側面と原料買付けの側面で、それぞれ7つある。 今年度は、製品販売の側面での仕組みについて、①1920年代から1930年代の三菱商事による一手販売契約の全容とその意義を検討し、②1930年代の大倉商事によるオーストラリアへの日本製工業製品(東海電極製品)輸出による市場開拓を分析し、③1910年代から1920年代の三井物産による一手販売契約の全容と競争条件の変化を検討し、④商品に添附し、消費側に商品を訴求して、市場を確保する機能を持つ商標に関して、三井物産の商標(井桁三)と三菱商事(スリーダイヤモンド)がいつどの商品について登録されたかを検討し、登録が遅れたことでどのような問題が生じたのかを明らかにした。 原料買付けの側面の仕組みについては、①1920年代から1930年代の三菱商事による一手買付け契約について検討した。 このほか、総合商社と比較するため、専門商社の日本綿花株式会社の組織(本店中心主義)と経営の特徴(社長への権限集中など)を検討し、同社の製品販売の側面、原料買付けの側面での仕組みを分析するための前提作業をおこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実証的に検討する本研究では、大量に資料を収集することが不可欠である。ところが、コロナ・ウイルスの蔓延のため、予定していた米国国立公文書館での資料調査(在米日本商社の支店資料の調査)をおこなえなかった。米国国立公文書館は最重要の資料収集予定先であるため、研究計画に遅れを生じている。 しかし、コロナ・ウイルスのため資料の閲覧日時に制約を受けたものの、日本での三井文庫所蔵の三井物産本店資料と三菱史料館所蔵の三菱商事本店資料については何とか収集をおこなうことができた。 毎月、インターネットを使って研究会を開催した。研究会では、各人が収集した資料の内容を紹介し、資料を分析した結果を報告した。分析した仕組みは、「研究業績の概要」欄に記したように、製品販売面に関するものがほとんどである。原料買付け面については、一部分しか分析できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ・ウイルス蔓延のため2021年度に実施できなかった米国国立公文書館での資料調査を、可能であれば2022年度におこないたい。 また、三井文庫が所蔵する三井物産本店資料と三菱史料館が所蔵する三菱商事本店資料を収集し、これを分析する作業をおこなう。 メーカーが総合商社に依存する様々な仕組みのうち、2022年度にどの仕組みを分析するかについては、どのような資料を収集できるかにかかっている。研究代表者・研究分担者がそれぞれどの仕組みにするか狙いを定めて資料を収集し、研究会を開いて収集資料の内容の紹介と資料の分析結果を報告し、議論をおこなう。 その際、できるだけ、分析が遅れている原料買付け面に狙いを定めて、資料収集と分析をおこなう予定である。たとえば、①綿花などの国際相場商品の場合、原料の価格変動リスクを商社が負担する仕組み、②世界各地での仕入市場の情報を収集する仕組み、③新規の仕入市場を開拓する仕組み、④取引先とのトラブルを処理する仕組みなどを分析したい。
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