研究課題/領域番号 |
20K01805
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07070:経済史関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
正木 響 金沢大学, 経済学経営学系, 教授 (30315527)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 藍染綿布ギネ / セネガル銀行 / 仏領西アフリカ / 貨幣 / 植民地財政 / モーリタニア / ギネ / 郵便為替 / 財政 / セネガル / 植民地 / フランス / グローバル経済史 / CFAフラン / 操作勘定 / 送金為替 |
研究開始時の研究の概要 |
ある地域を植民地化するにあたっては、支配地域に徴税・歳出のための財政制度構築、そこで用いる貨幣の制定、その供給・管理、そして植民地と宗主国間での送金システムの整備が求められる。 本研究では、綿布貨幣(19世紀)、植民地と宗主国の間で利用された送金手段(20世紀前半)、そして操作勘定(1955年以降)という、時代は異なれども、宗主国フランスによって旧仏領西アフリカに導入された貨幣・送金手段・勘定をとりあげ、宗主国の植民地財政が植民地の金融・貨幣制度の確立に果たした役割を明らかにする。これにより、フランスの西アフリカ植民地化過程の研究に新たな視座を加え、現在の問題理解にも繋がるのでないかと考える。
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研究実績の概要 |
ヨーロッパ宗主国による植民地化過程と独立後に形成された制度の検証を目的に、旧仏領西アフリカの貨幣および金融制度の発展過程を植民地財政との関係から調査検証することが本研究の目的である。 今年度は、まず、19世紀半ばにサブサハラアフリカ初の発券銀行として誕生したセネガル銀行の設立過程とそのオペレーション、そしてその評価についてまとめた論文を全米アフリカ学会の学術誌African Studies Reviewに査読付き単著論文として発表することができた。査読の過程で、論文の主旨がセネガルのメティス商人の銀行オペレーションと政治経済社会関係の方に重きを置くことになってしまったが、フランス政府がセネガルで植民地支配を行うにあたって現地で必要な現金(ローカルフラン)を財務省が発行する証券を用いてセネガル銀行から調達する過程を具体的に示した 7月末には、パリで開かれたWorld Economic History Congressでフランスが内陸部侵攻するにあたり、現地の人への支払い手段としてもとめられる綿布や銀貨を調達する費用をフランス政府が負担していたこと、フランス政府財務省証券も、内陸部で貨幣として流通していたことを明らかにする論文を発表した。また、金沢大学の学内競争資金を用いて、モーリタニアでのギネ流通とフランスの植民地化との関係を明らかにする調査を開始し、その研究の一部に本科研費を用いた。 上記の内容を含む日本語の論文を、岩波書店から刊行された『世界歴史 第18巻』の一章として発表した。海外調査として、フランス国立公文書館、ジロンド県立公文書館、ボルドーメトロポル公文書館、セネガル国立公文書館を訪問し、史料の収集を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度に続き、査読付き国際ジャーナルに論文が掲載されるとともに、日本語でも研究の一部を発表した。また、国際学会に参加するとともに、フランスとセネガルの公文書館で欠けている史料を補うことが可能となった。
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今後の研究の推進方策 |
研究の最終年であることから、全体の総括を行うとともに、査読に通っていない論文(仏領インドにおけるギネ生産とフランス本国の関係に関する論文)の修正を行う。
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