研究課題/領域番号 |
20K01810
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07070:経済史関連
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
米山 秀 東京都立大学, 経営学研究科, 客員教授 (80158542)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ギルド / 徒弟制 / エクセタ / 労働 / アソシエ―ショナルな社会 / 徒弟登録 / 徒弟法 / 市民 / 非登録徒弟 / 救貧徒弟 / 徒弟 / 家族 / 直系家族原理 / 小分岐 / ライフサイクル奉公人 / 実子徒弟 |
研究開始時の研究の概要 |
都市史の成果と家族史の成果の接合をグローバリゼーションの視点を加えることによって試みる。 都市史の成果によれば、近世イギリスではヨーロッパ大陸と比較してギルドが早く弱体化したとことを明らかにしている。一方、家族史の成果によれば、大陸ヨーロッパは多くは直系家族のままであるのに対して、近世イギリスでは核家族化が順調に進んだといわれている。 この二つの成果を接合すると、大陸ではギルドが規制強化に際して直系家族原理を用いるのに対して、イギリスではギルド規制において直系原理を用いた政策が後退していったことが展望される。本研究課題の期間内に、イギリスにおける具体的史実を資料によって検出することを試みたい。
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研究実績の概要 |
口頭報告1回とリサーチペーパ1篇をまとめた。口頭報告は前年度の米山[2022]および未刊行のままであったYoneyama[2012]をもとにしたものであった。イギリスの徒弟制は「自己執行的」(Humphries[2003])と言われている これに対しては、Wallis[2008]等の暗黙の批判があり、その具体像は依然不明である。おそらくハンフリーズはその経済学が前提としていると思われる欧米の18世紀の社会すなわち権力や共同体関係が希薄化する方向に純粋化する社会を想定していると思われるが、そうした社会はむしろ例外的なアソシエーショナル(P..Clark)な社会であることを強調した。 リサ-チペーパ米山[2023]の方は現在Yoneyama[2019]として公開されているものの日本語による紹介である。英文拙稿以降すなわち2019年以降に重要な成果が現れるていることに鑑み、それらとの関連でyoneyama[2019]の事実を位置づけなおしている。 ①米山秀[2022]「近世イギリス徒弟制研究の現状と課題--近年の若干の研究か②Yoneyama,[2012] ‘The non-enrolled apprentice: Skill transfer and guild regulation in early modern English provincial towns‘,unpublished.③Yoneyama,[2019] ‘The decline of guilds and their monopoly in English provincial towns, with particular reference to Exeter’,Urban History.Vol.46-3 pp.443-463.④米山[2023]イギリスにおけるギルドの衰退とエクセタ縮絨工カンパニの変質
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
一年延長したが、次年度、当初の目標を少しでも到達する見込みが立ったので。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、「直系家族原理」の解体についてまとめる。最終的には米山[2008]『近世イギリス家族史』の改訂となることが展望される。取りあえず、まず、商工業に限らず、広く直系家族原理の後退の事例を集め、クロノロジを作成することからはじめたい。 通説の固定化に少しでも風穴を開けることができればと考えている。
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