研究課題/領域番号 |
20K01812
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07070:経済史関連
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研究機関 | 青森大学 |
研究代表者 |
沼田 郷 青森大学, 総合経営学部, 教授 (10398977)
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研究分担者 |
山下 雄司 日本大学, 経済学部, 准教授 (10551004)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 光学産業 / 光学技術 / 諏訪地域の光学産業 / 栃木県の光学産業 / 台湾の光学産業 / 中国の光学産業 / 国際移転 / 技術蓄積・移転 / 栃木県 / 北條光学 / 長野県 / 産業集積 / ワルツ商会 / 連鎖 / 疎開工場 / カメラ生産 / 八陽光学 / 岡谷光学 / 国際移転プロセス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、「産業の国際移転はいかにして進展するのか」という学術的「問い」のもと、日本における光学産業の発展および東アジア地域への国際移転プロセスの解明とモデルの構築を目的としている。 本研究における第一の課題は、「技術の受け手」という側面に着目し、輸入した光学技術が日本国内でどのように習得・蓄積され、産業の形成、発展に結実したのかについて明らかにする。 第二の課題は、「技術の送り手」という側面に着目し、日本企業と台湾企業が光学産業の中国移転にどのように関わり、どのような役割を果たしたのかについて明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究課題の第一の課題である「技術の受け手」に関しては、長野県諏訪地域から8ミリカメラを輸出した地場企業に着目した研究を行った。同社には、諏訪地域の名士が名を連ね、短命ではあったものの、8ミリカメラの総輸出に占める割合が10%を超えた年もあった。このような実績を短期間で成し遂げた要因を同地の光学関連企業の集積から解き明かす一方で、同社倒産後の手際の良さ等から同地域の産業発展と雇用安定のために起業された側面もあるのではないかという指摘も行った。 研究代表者は、コロナ禍による中断を経て、「栃木県における光学産業の形成過程に関する考察」の続編にあたる栃木県光学産業の成長・発展過程に関する調査を再開した。とりわけ、同地域の光学産業の形成に大きく寄与した地場企業と後に進出した大企業との関連に着目し、調査活動を進めた。今年度中には論文としてまとめる見込みである。 第二の課題に関しては、「技術の送り手」に着目し、日本企業と台湾企業が光学産業の中国移転においてどのような役割を果たしたのかを解明するための調査を行った。コロナ禍によって海外渡航が制限され、調査活動に支障をきたしていたが、前年度より可能となった。調査によって、中国における光学産業の形成および成長過程のアウトラインを把握した。また、中心的な役割を担った日本、台湾、中国(地場)企業を抽出し、その役割を一部ではあるが把握することができた。この点に関しては、今年度中に論文としてまとめる予定である。また、台湾、中国企業に関しては、調査を継続する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍の影響により、聞き取りを中心とした調査活動に支障をきたしていたことが進捗状況を「やや遅れている」とした最大の理由である。また、これに関連して海外渡航が制限され、現状でも中国入国にはビザが必要であることも要因の一つである。ただし、これらに関しては、部分的な改善がみられ、海外調査も可能となっている。 今年度も継続して海外調査を実施する予定であり、聞き取り調査を積み重ねることで「遅れ」を解消できるものと考えている。また、国内での調査に関しては、制限は解除されており、海外調査と並行しながら研究を進め、「遅れ」の解消を図る。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題を推進するうえで課題となっていたコロナ禍の影響は、海外の一部を除いてほぼ解消している。したがって、当初の研究計画に則って聞き取りを中心とした研究・調査活動を効率的に実行する。調査先の確保および調査受け入れの内諾は得ているため、長期休暇を有効に活用しながら、海外および国内調査を組むことにしている。上述した調査活動と並行して本研究課題に関する論文を執筆する。
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