研究課題/領域番号 |
20K01814
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07070:経済史関連
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研究機関 | 成蹊大学 (2021-2022) 関東学院大学 (2020) |
研究代表者 |
鴨野 洋一郎 成蹊大学, 経済学部, 准教授 (80631192)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | フィレンツェ / 毛織物工業 / 国際商業 / 貿易する織元 / オスマン帝国 |
研究開始時の研究の概要 |
ルネサンス期フィレンツェの経済は国際金融業、国際商業、繊維工業を軸としていたが、その全体像の解明にはまだ多くの課題が残る。 本研究では、この時期のフィレンツェがオスマン帝国と行った貿易を取り上げる。製造のみならず販売も行う毛織物会社「貿易する織元」に着目し、2つの「貿易する織元」(ヴェントゥーリ会社およびメディチ会社)を事例として会社の経営記録を調査する。また、オスマン都市に駐在した商人の帳簿4冊も調査する。これらの調査により、この貿易の実態をフィレンツェ側とオスマン側双方の視点から解明し、毛織物工業と国際商業とが密接に結びついていたルネサンス期フィレンツェ経済の特徴を浮き彫りにしていく。
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研究成果の概要 |
ルネサンス期フィレンツェでは、毛織物を製造する会社がみずからそれを国外で販売もするという興味深い現象がみられた。本研究では、メディチ家およびヴェントゥーリ家が経営する毛織物会社を例にこの「貿易する織元」の実態を調査し、フィレンツェ経済にこうした織元が与えたインパクトを考察した。 メディチ家の調査では、フランチェスコ・ディ・ジュリアーノ・デ・メディチが毛織物販売のために行ったトルコ旅行の記録を詳細に解読し、彼の活動の特徴を明らかにした。ヴェントゥーリ家の調査では、同家が残した毛織物会社の経営記録を網羅的に解読し、毛織物の製造および販売の詳細を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの研究では、フィレンツェの毛織物工業について、もっぱら製造部門にのみ関心が寄せられ、商業部門は例外的な活動とされ重視されなかった。しかし毛織物会社がオスマン帝国との間で行った貿易は、輸入したペルシア生糸による市内の絹織物工業の振興という結果をもたらした。毛織物会社が開拓した貿易のフィレンツェ経済への影響は大きかったのであるが、ではなぜ毛織物会社はみずから貿易に参加しようと考えたのか。本研究はこの問題点を明らかにすることに学術的意義をもっている。
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