研究課題/領域番号 |
20K01815
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07070:経済史関連
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研究機関 | 大阪産業大学 |
研究代表者 |
門 闖 大阪産業大学, 経済学部, 教授 (00513053)
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研究分担者 |
加島 潤 慶應義塾大学, 経済学部(三田), 教授 (50463899)
小原 篤次 長崎県立大学, 国際社会学部, 准教授 (00291039)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 中国経済 / 対外金融 / 国際収支 / 対外貿易 / 中国銀行 / バーター貿易 / 対外直接投資 / 投融資制度 / 中国の対外金融 / 華僑送金 / 冷戦体制 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、これまで中国金融史、中国対外貿易史および華僑にかかわる中国対外関係史という3つの領域でバラバラに取り上げられてきた対外金融の歴史を統合し、冷戦体制下における反経済封鎖のバーター貿易や華僑送金の管理を手掛かりとして、中国対外金融体制の形成と変容を明らかにする。本研究を通じて、日本や中国大陸、そして台湾と香港に散在する関連分野の資料および研究を照らし合わせ、冷戦下における東アジアの歴史研究に対して新たな貢献をなすことができる。
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研究実績の概要 |
令和4(2022年)年度では、研究代表者がこれまで収集・整理してきた資料に基づき、論文の執筆を中心に研究活動を行った。まずは昨年度に開催した科研費共同研究ワークショップでの報告(「1950年代における中国対外金融の展開過程:課題と論点」)を論文に発展させるために仮説の再構築を行った。そして金融官僚の形成と変容を対象に金融システムの長期的な変化について、学会報告や論文執筆を行った。また中国銀行業の動向をフローする文章をまとめた。ほかには、中国資本市場の歴史や中国の対外金融と人民元の国際化を考察する著書の書評を執筆した。 研究分担者は、中国の資本市場や政府系ファンドを中心に東南アジア・香港株式市場との連動性や最新の研究動向をまとめる学術論文の執筆を行った。ほかに、研究代表者と共同で中国金融に関する入門書の企画・執筆を行った。これらの研究活動をベースに、共同で研究計画を遂行する一方、問題意識の共有を図っている。 令和4年度では研究分担者2人を含めて学術図書1、学術雑誌・大学紀要論文5、学会報告6回、書評3の実績を挙げている。ほかには一般向け経済誌の総説も執筆している。以上の研究業績は、いずれも中国金融市場やアジア金融市場およびアジア経済論の関連研究である。とりわけ中国金融市場をめぐる長期的制度変容を中心に検討を積み重ねている。研究分担者の関連研究は、中国金融の構造的変化を分析するに際して、アジアという広域の視角を与えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和4(2022年)年度では、研究代表者が海外留学したため、研究計画に予定していた現地での資料調査が実現できなかった。それに加えて、プロジェクト開始の2020年度からコロナ禍による渡航制限で、現地の資料館に所蔵するアーカイブ資料を収集・整理する計画は未着手のままである。これも論文執筆や研究集会の招集の遅れに繋がっている。これまでの解消法として、共同研究者とともに来日する海外の研究協力者を招聘する形で、科研費共同ワークショップの実施を通じて資料所蔵や歴史事実の確認を進めたが、予定していた資料の収集を網羅することに限界がある。今年度は現地への渡航解禁によって、研究計画に基づく資料収集のための現地調査を予定している。
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今後の研究の推進方策 |
今後の方策としては、現地における資料の収集・整理および共同研究ワークショップを通じる研究成果の発表を2本柱に研究を推進する方針である。次年度は、これまで収集・整理できた資料に基づき関連論文の執筆や学会報告を行う一方、現地への資料収集を通じて研究論文の実証水準を高める作業を行う。他には、研究代表者と海外研究協力者の共通分野で、両方とも関連業績をもつ中国銀行業の海外ネットワークおよび海外支店の現地経営について、関連研究業績のすり合わせをはかって共同研究を進展させる予定がある。
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