研究課題/領域番号 |
20K01819
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
渡辺 真一郎 筑波大学, システム情報系, 名誉教授 (50282330)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 継続的コミットメント / 転職意思 / 社会的交換にもとづく継続的コミットメント / 経済的交換にもとづく継続的コミットメント / 信頼概念 / 比較文化 / 文化のカテゴリー的視点 / 文化の次元的視点 / 文化内異質性 / 文化間類似性 / intercultural adaptation / self-adjustment / surface adjustment / deep adjustment / adaptive demand |
研究開始時の研究の概要 |
少子高齢化の進展により、わが国の労働力人口は加速度的に縮小し続けている。一方、労働力不足を補うための外国人労働者数は増加の一途をたどっている。日常生活において、深夜のコンビニで働く外国人レジスタッフ、飲食店で接客する外国人店員、IT関連企業のヘルプデスクで顧客の問題解決を助ける外国人技術スタッフ等が増えたという実感を持つ者は、特に都市部では少なくないはずだ。職場の国際化現象に鑑み、外国人従業員が日本文化に適応し、健康で生産的な働き手となることが強く期待される。本研究の着想は、このような期待から生じたものであり、外国人従業員の日本文化適応を促進するための方策を導き出すことを目的としている。
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研究実績の概要 |
継続的組織コミットメントに焦点を置き、国際比較を行うための研究を行った。当概念は組織から離れるとなんらかの損失を被るため、 組織に留まり続けたいという態度を意味し、組織へ情緒的一体感情を意味する情動的コミットメントや、一度属した組織を容易に去るべきではないとする規範的コミットメントと区別される。組織に対し情動的な一体感情を経験できる幸運な従業員や道徳的な理由で組織に留まろうと思う従業員は比較的少ないと考えられる。大半の従業員は、選択可能な他の組織が少ないとか、転職すると少なからぬ損失(例えば、減給や家族の引っ越し・転職・転校等)を被るので組織 に留まり続けていると考えられる。
2021年度~2022年度は、継続的コミットメントについて、「経済的交換」と「社会的交換」にもとづく下位次元を新規に区別し、人々が組織に留まろうとする動機の男女比較、職種比較、及び国際比較研究をスタートさせた。社会的交換はさらに上司との社会的交換、及び同僚・部下との社会的交換に分類した。これらの新概念の妥当性を検証したうえで、性別による違い、職業による違い、及び日中比較を行うことを目的とし、我が国の女性看護師、男性銀行員、及び中国の男性システム・エンジニアからデータを収集した。一般的に伝統的な性役割意識を持つことが知られる日本においては、組織に留まる理由について男女間で対照的な結果が得られると予測している。例えば、男性にとっては経済的交換にもとづくコミットメントが、一方女性にとっては社会的交換関係にもとづくコミットメントが、人を組織に繋ぎとめる最も重要な要因となり得る。一方、男女平等な性役割意識が制度として確立された中国においては日本とは異なる結果が得られると予測している。現在、データ解析と論文執筆のための準備を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究に専念できない状況が長期に渡って続いており、データの取りまとめ、解析、及び論文の執筆が遅滞している。
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今後の研究の推進方策 |
データのクリーニング、測定尺度の信頼性・妥当性確認、そして概念間の関係に関する男女間比較、職種間比較、及び国際比較を統計解析を用いて行い、論文執筆により成果を取りまとめる予定である。
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