研究課題/領域番号 |
20K01829
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
道谷 里英 順天堂大学, 国際教養学部, 先任准教授 (00566028)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 援助要請 / 若年就業者 / 組織社会化 / 職場 / 基本的心理欲求 / 自律性 / 自律性支援 / 職場環境要因 / ワーキング心理学 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,職場における支援関係を充実させる取り組みが進んでいるが,支援を受ける従業員の援助要請に影響を与える要因に関する研究は乏しい。援助を求めづらい立場にある従業員が感じる阻害要因を取りのぞくためには,援助要請の予期に影響する職場環境要因をより多面的に検討する必要がある。本研究では,従来の産業・組織心理学を批判的に検討した Psychology of Working Theoryの視点から,援助要請を阻害・促進する環境要因を明らかにする。
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研究実績の概要 |
当該年度は、若年就業者の自律的な援助要請に影響を与える要因を明らかにすることを目的とした質的研究を実施し、日本キャリア・カウンセリング学会において報告を行った。援助要請と組織社会化との関連を明らかにできたことは、若年就業者の組織適応支援に資すると考えられる。発表内容をもとに論文を執筆し投稿中である。投稿論文の概要は以下の通りである。
研究タイトル;若年就業者の自律的な援助要請に至るプロセスの探索的検討 職場において仕事に関連する支援を求めること(援助要請)の研究が近年注目されている。本研究は,企業や団体で働く若年就業者を対象として,職場における自律的な援助要請行動が獲得されるプロセスを明らかにすることを目的として実施された。若年就業者13名に対して半構造化面接を行い,対象者の逐語記録をM-GTAにより分析した結果,43概念,15カテゴリー,6カテゴリーグループが生成された。その結果,自律的な援助要請行動を獲得するまでに3つの段階(援助者への全面依存,自発的な援助要請,柔軟・適切な援助要請)があることが明らかになった。依存的な援助要請に影響する要因として,相談へのハードルや自立への焦りが見出された。援助要請における自律性を高める要因として,自分を出せる関係性や相談の意義が実感できることが確認された。組織社会化と援助要請が相互に影響しながら進む過程が確認された。職場内で自分のことを表現でき,かつ相互に助け合う職場環境を構築することの重要性について議論された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍によりインタビュー実施年がずれたことにより、研究計画全体に遅れが生じた。さらに、2022年度に投稿した論文が大幅な修正を必要とする状況にあり、計画そのものを見直す必要に迫られた。
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今後の研究の推進方策 |
援助要請意図とワーキング心理学における基本的欲求の充足との関連およびその関係に影響する要因について質問紙調査を実施予定である。使用する尺度の日本語版の開発も含めて現在検討中である。
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