研究課題/領域番号 |
20K01836
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
長谷川 信次 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (90218446)
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研究分担者 |
田中 悟 神戸市外国語大学, 外国語学部, 教授 (20207096)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 多国籍企業 / 立地ポートフォリオ / 脱グローバリゼーション / SDGs / 地域循環経済圏 / ビジネスエコシステム / グローバルバリューチェーン / COVID-19 / 立地特殊的優位 / 企業特殊的優位 / 地域循環型社会 / cover-19 / サステイナビリティ / BOPビジネス / グローバルサプライチェーン / covid-19 / 立地 / LOF / 多様性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、多国籍企業による活動拠点の立地決定とその経時的変化を理論的・実証的に解明する。そのために、海外拠点間の関係性と各拠点の特性を同時に考慮した立地ポートフォリオ概念を開発して、ポートフォリオの選択と管理の視点から多国籍企業の立地決定のダイナミクスにアプローチする。ここでの立地ポートフォリオは、 国・地域の立地優位や多国籍企業の競争優位/劣位に対する単純な反応装置にとどまらない。立地ポートフォリオの組み換えが多国籍企業の競争優位の強化や劣位の中和化をもたらし、その競争優位/劣位の変動がまた、立地ポートフォリオの更新を通じて国や地域の立地優位を創り変えていくメカニズムも解明する。
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研究実績の概要 |
本研究課題は、多国籍企業(MNC)による活動拠点の立地決定とその経時的変化を明らかにすることにある。20世紀後半から、フラグメンテーションの進展とICTの活用によりバリューチェーンが国境をまたいで展開され、世界中のビジネス活動はMNCのグローバルな生産ネットワークに組み込まれてきた。しかし、21世紀に入るとアメリカ同時多発テロやリーマン・ショック、地域紛争、COVID-19を契機として、そうしたグローバリゼーションの動きにブレーキがかかった。いわゆる脱グローバリゼーション、あるいはスローバリデーションと呼ばれる所以である。そうした分断の時代のなかで、MNCは立地決定を戦略的に行い、グローバルビジネスがダイナミックに再構築されつつあることを確認した。 また、地球規模での気候変動の常態化や格差、貧困、人権侵害など、環境負荷や不公正・不公平などの社会的費用を内部化して、真にサステイナブルなグローバル事業を再構築することもMNCにとって喫緊の課題である。本年度はこのサステナビリティ側面に着目し、とりわけカーボン・ニュートラリティの視点からローカルSDGs(地域循環経済圏)を取り上げ、グローバルビジネスとの接続性こそが、ローカルSDGsのサステナビリティ(経済的、社会的、環境的)を向上させることを明らかにし、そこでのキープレイヤーとしてMNCの役割を再定義することに取り組んだ。同時に、MNCは自身が直接関与するバリューチェーンだけでなく、間接的な連関も含めたビジネスエコシステムを差別化されたシステムとして構築する能力を有し、そうしたビジネスシステムのイノベーションがMNCの競争優位向上に資することを明らかにした。こうしたローカルSDGsとグローバルSDGsの接続の視点からMNCの立地決定を再定式化し、ひいてはMNCの立地ポートフォリオのダイナミクスを解明する必要性と可能性を示唆した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19パンデミックによる社会的自粛要等の影響で、予定していた調査の実施が大幅な制約を受けた。またパンデミックが引き起こした経済ショックとサプライチェーン寸断リスク、東欧や東アジア、中近東、米中など各地で高まる地政学リスク、さらには地球環境変動によるサステナビリティ課題の重要性の高まりは、本研究課題であるMNCの立地決定に根源的な影響を及ぼすことから、立地決定のメカニズムとして当初想定していた分析フレームワークの大幅修正も必要となった。
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今後の研究の推進方策 |
今後は国内外研究協力者との意見交換や研究打ち合わせ、企業への聞き取り調査、循環経済圏への実地調査をさらに進めて多国籍企業の立地ポートフォリオモデルの構築を図り、研究成果の国際学会での研究成果発表を積極的に進める予定である。
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