研究課題/領域番号 |
20K01856
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 広島市立大学 |
研究代表者 |
李 在鎬 広島市立大学, 国際学部, 教授 (40342133)
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研究分担者 |
平野 実 県立広島大学, 地域創生学部, 教授 (00405507)
菊池 航 立教大学, 経済学部, 准教授 (00710724)
富山 栄子 事業創造大学院大学, 事業創造研究科, 教授 (40449426)
塩地 洋 同志社大学, 人文科学研究所, 嘱託研究員 (60215944)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 車載2次電池 / 電池セル / 電池パック / 垂直的分業 / 水平的分業 / 製品アーキテクチャ / 電動化 / 日中韓 / モジュラー / 自動車産業 / グリーンシフト / 移行期 / 適応戦略 / 創発的戦略 / 範囲の経済 / 先行者投資 / 自動車の電動化 / 2次電池 / バリューチェーン / 企業間分業 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の中心となる問いは,自動車の電動化によりその製品アーキテクチャがインテグラル型からモジュラー型へシフトし,新たなバリューチェーンが形成され,完成車メーカーを頂点とする垂直的な分業体制から,水平的分業関 係へ遷移するか否かである。本研究ではこのような問題意識を踏まえ,日本,中国,韓国の主要完成車メーカーと2次電池メーカーとの取引関係を中心とするバリューチェーンに関する実証研究を通じてHV,PHV,EVなどが混在する電動化の移行期におけるバリューチェーンと企業間分業体制の変化の軌跡を産業進化の観点から,動態的に捉える。
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研究実績の概要 |
2022年度の研究課題は日本、中国、韓国における電動化の各段階別のバリューチェーンの全容を整理し、その中で車両メーカーと2次電池企業間の分業体制の特質を製品設計と地域特殊性の観点から分析し、その含意を明らかにすることにある。 李と塩地は2019年恵州で遂行した電動車及び車載LiB産業集積への実地調査に依拠し、中国での車載LiBの商流においてはLiB産業への国家的な先行投資により、水平的分業の土台が築かれてたものの、その取引対象はLiBセルに収斂せず、カスタム化されたLiBパックを含む多岐にわたる形態であるということを析出し、その含意についてアジア経営学会誌に論文として掲載した(李、他、2022)。この発見事実は「中国でも欧米車両メーカーと韓国LiB企業間でみられるLiBセルを対象とした水平的取引が多い」とする湯(2019)の見解とその対極にある「特化型垂直統合が中国LiBバリューチェーンでのトレンドだ」としているWang et al.(2022)の見方との間の不整合を紐解く上で資するものである。 さらに、李は2次データ分析に基づき、2010年代以降の日韓のLiB企業の取引関係の特質を検討した。その結果2010代後半より日本では系列化と水平的分業への戦略の分化が、また韓国では「LiBセル中心の水平分業」に拘れず、LiBパック、モジュール単位にカスタム化された水平分業へ移行していることを明らかにした。このような発見事実と含意について国際ビジネス研究学会で報告した。 一方、Lee(2022)と富山(2022)(2023)は車両メーカーの視点から現代自の両利き経営、ホンダ及びBMWのESG経営の事例を分析し、学会で報告した。また菊池(2022)(2023)は経営史的観点から日本のサプライヤーシステムがCASEの環境変化に機動的に対応しにくい構造的な要因を析出し、学会で報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度からはパンデミックが落ち着き、所属機関の学外調査に関する行動規範も通常に復帰する等研究代表者及び分担者における研究調査の環境は改善しつつあるものの、完全な回復に至っていない。自主規制だとしても依然として学期中における海外調査や国際学会での発表については、リスク管理の観点から自由に出張を申し込むような状況にはなっていない。また、調査先の手配と打診においても依然として隘路があった。 それに地政学的な要因が加わり、研究計画に掲げている中国企業への実地調査再開のめどが立っていない状態である。 また、燃油サー・チャージのなど渡航費用の高騰が続いているため、オンライン参加を除き、当初計画していた実地調査や国際学会への出席回数や規模を大幅に縮小せざるを得なくなった。 以上の理由から、2022年度における研究遂行の進捗は全般的にやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度に入り、パンデミック関連の特別な行動規範は全面的に解除されたため、2022年度課題遂行の遅れを取り戻しつつ、研究計画調書で下記の研究費受給最終年度度の課題に積極的に取り組む。 「最終年度には「EVより擦り合わせの必要性が高いHVやPHVの方が、また中韓より日本の方が、開発及びその後の生産分業において、より完成車メーカーの関与度が高く、企業間情報共有もより緊密である」という現時点での仮説を多方面から検証し、その規定因の析出に到達する。また、電動化の進展とともに取引関係が水平的分業体制へ変容していく多様な経路を捉え,その成果を国内外学会に発表するとともに,業界団体に対してその対応策を提言する。」 直近では李と平野が6月27~30日にベルギーのブリュッセルで開催される国際自動車産業学会(Gerpisa)に出席し、学会活動を再開する予定である。そこで李は韓国での電気自動車及びLiBパックの解体・再資源化の最新動向とその意義について学会報告を行う予定である。またその途上でミュンヘン所在の日系部品サプライヤーを実施調査する計画となっている。 同時に、今後実地調査や学会活動に、対面及びオンライン参加の形で積極的に取り組むことにより、全般的な進捗の遅れを挽回していく。
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