研究課題/領域番号 |
20K01869
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 (2023) 大阪経済大学 (2020-2022) |
研究代表者 |
三島 重顕 名古屋市立大学, 大学院経済学研究科, 教授 (60454930)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 小規模な保険薬局 / 経営者薬剤師 / マンツーマン薬局 / 面対応薬局 / 地域薬局 / 薬剤師 / 薬局薬剤師 / 専門能力の発揮機会 / 職務満足 / 薬局経営 |
研究開始時の研究の概要 |
薬局は処方箋薬の調剤だけ行えば利益の出た時代から、淘汰・革新の時代に突入する。AIやIoTの進歩に伴い「薬のアマゾンエフェクト」の日本上陸も現実味を帯びつつある。財政逼迫に伴い、厚生労働省は事実上、薬価を毎年引き下げることを決定した。同省はまた「対物業務から対人業務へ」を謳い、調剤作業の機械化を進め、主要業務を患者(顧客)へのコンサルティングへシフトするよう薬剤師に迫る。本研究では、市場競争と主要業務の両面でパラダイムシフトが生じつつある状況を鑑み、「次世代で通用する薬局の経営戦略、国益に適う薬剤師の管理、薬学部での経営学教育の在り方とは何か」という問いに一定の方向性を示す。
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研究実績の概要 |
2023年度は、COVID-19の影響を受けて中断していたインタビュー調査を再開し、小規模な保険薬局を経営する「経営者薬剤師」を対象に日本全国で精力的にデータを収集した。被験者数は30名超となり、概ね「理論的飽和」を迎えつつあるものの、インタビューに応じていただくのが非常に難しい一部のタイプに関して、もう少し粘り強くデータを集めたいと考えている。 したがって、被験者のターゲットをさらに絞る仕方で、次年度も引き続きデータの収集を継続する予定である。並行して、収集した音声データのテープ起こしにも着手し、それらのデータを質的調査の分析ソフト「NVivo」に取り入れ、M-GTA分析を進める。最終的には論文を執筆し、学術誌や学会で成果を公表したい。 本研究を進めることにより、年々厳しくなる保険薬局の経営環境において、(ほとんどのケースにおいて)起業以前に経営について学んだ経験のほぼ無い「経営者薬剤師」にインプリケーションを提示することができるようになると予想される。具体的には、各「経営者薬剤師」の経営スタイルや店舗のタイプによって、それぞれ異なる経営上のインプリケーションを提示する予定である。加えて、薬剤師としての自身の(被雇用者の)専門能力を十分に発揮できるようになり、その恩恵を受ける顧客の健康寿命が延びある、生活習慣が改善される、病状の小康状態が維持される、等といった面でも効果が期待できる。最終的には、膨張する医療費の適正化にも資する研究と思われる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020~22年頃まで、COVID-19の影響を受けてインタビュー調査を中断していたため、当初の予定よりも研究の進展がやや遅れている。 しかし、パンデミックが比較的小康状態となった2023年度にインタビュー調査を再開し、全国で精力的にデータを収集することができた。
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今後の研究の推進方策 |
先述のように、被験者数は30名超となり、概ね「理論的飽和」を迎えつつあるものの、インタビューに応じていただくのが非常に難しい一部のタイプに関して、もう少し粘り強くデータを集めたいと考えている。 したがって、2024年度は被験者のターゲットをさらに絞る仕方で、引き続きデータの収集を継続する。並行して、収集した音声データのテープ起こしにも着手し、それらのデータを質的調査の分析ソフト「NVivo」に取り入れ、M-GTA分析を進める。最終的には論文を執筆し、学術誌や学会で成果を公表したい。
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