研究課題/領域番号 |
20K01875
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
高島 克史 弘前大学, 人文社会科学部, 准教授 (60463759)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 起業家 / 起業機会 / オープン戦略 / アントレプレナーシップ / 社会変化 / 利害関係者 / ネットワーク / 批判的実在論 / アクターネットワーク / ケーススタディ / ネットワーキング |
研究開始時の研究の概要 |
起業機会の認識から実現という現象にたいして既存のアントレプレナーシップ研究は,「起業家はユニークな認識能力や心理特性を有し」ており,それが起業機会の認識から実現に好影響を及ぼすと考えられてきた。あわせて,「起業機会の認識から実現はすべて起業家個人が担っている」という前提が置かれていた。 本研究はこのような前提に対して,批判的検討を加えるものである。本研究は,起業家個人だけでなく彼を取り巻く利害関係者とのネットワークに着目し,「起業家と利害関係者とのネットワーキングの構築・解体」と「それを通じた起業家と利害関係者の認識枠組の変容」といった視点から起業機会の認識・実現プロセスを明示することを試みる。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、「起業家と利害関係者とのネットワーキングの構築・解体」と「それらを通じた起業家と利害関係者の認識枠組と行動の変容」といった観点から起業機会の認識・実現プロセスを明示することである。 2022年度は、主に2つのことを実施した。1つ目は、『青森からはばたく じょっぱり起業家群像Ⅱ』という書籍を刊行した。本書は、これまでの研究成果を所属大学内研究者とともに整理したものである。起業においては、起業家が英雄のように扱われるのではなく、起業家を取り巻く利害関係者の存在とその関係性が必要であること、および利害関係者との関係性は構築するばかりではなく時として解体されることもあるといった本研究の基礎をなす研究成果をまとめたものである。 2つ目は、文献研究と資料データの整理を行った。文献研究では、利害関係者との関係性の構築や解体に関して、オープン戦略に関する研究の整理を行った。オープン戦略の考え方に依拠して、起業家と利害関係者との「関わり合い」「透明性」の程度をめぐる議論を念頭に考察した。すなわち、利害関係者はどのような状況や場合に関係性を構築し、どのような状況や場合になると関係性を解体するのか整理を試みた。ただこれら研究は、まだ概念的議論にとどまっており、実証研究段階まで至っていない点が大きな課題であることも明らかとなった。 文献研究を通じて指摘した課題は今後検証するために、まずはインタビュー調査を実施してく必要がある。そこで2023年度はインタビュー調査を行い、質的データの収集を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は、起業家およびその利害関係者を対象としたインタビュー調査が必須である。2022年度も、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、思うように調査を進めることが困難であった。アポイントメントがとれても、新型コロナウイルス感染状況により調査が直前でキャンセルとなることが重なってしまった。 同時に研究対象としている起業家も新型コロナウイルス感染拡大に伴う対応に追われており、調査協力のための時間を割いてもらうことも難しかった。 このように、予定していたインタビュー調査が十分に実施できていないため、本研究はやや遅れていると言わざるを得ない。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度もインタビュー調査を実施していく予定である。新型コロナウイルスによる研究上の障壁は低くなることが期待できるため、本年度は計画的にインタビュー調査を実施していく。同時に、文献調査も進めていく予定である。
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