研究課題/領域番号 |
20K01903
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 宇部工業高等専門学校 |
研究代表者 |
松野 成悟 宇部工業高等専門学校, 経営情報学科, 教授 (30290795)
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研究分担者 |
中岡 伊織 星城大学, 経営学部, 准教授 (50469186)
内田 保雄 宮崎産業経営大学, 経営学部, 教授 (70321487)
伊藤 孝夫 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 特任教授 (00280264)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 経営学 / 経営情報 / デジタルトランスフォーメーション / 経営情報論 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、企業がAIやIoT、RPA、クラウド、X-Techなどの新しいデジタル技術を活用して製品やサービス、組織などを変革し、戦略的に新たな付加価値を創出することで競争優位の確立をめざすデジタルトランスフォーメーション(DT)の成功要因を実証的に解明し、DT戦略に資する新たな情報システム(IS)マネジメントの指針を得ようとするものである。本研究で構築されるISマネジメントの指針は、経営者らによるDT戦略の意思決定に寄与することが期待される。
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研究実績の概要 |
本研究は、企業がAIやIoT、RPA、クラウド、X-Techなどの新しいデジタル技術を活用して製品やサービス、組織などを変革し、戦略的に新たな付加価値を創出することで競争優位の確立をめざすデジタルトランスフォーメーション(DXやDTなどと略されるが、ここではDTとする)の成功要因を実証的に解明し、DT戦略に資する新たな情報システム(IS)マネジメントの指針を得ようとするものである。 本年度は、国内企業に対する質問票調査の企画・設計作業などを予定していたが、長期化するコロナ禍において行動の自粛が求められている状況に鑑み、引き続き文献調査や事例研究などを中心に研究を進めた。また、既存の統計資料や企業財務データベースにもとづいた実証分析を行った。 DTの取組と企業業績や企業価値との関係を実証的に分析した既往研究では、無形資産と株価リターンとの間に有意な正の相関が認められており、デジタル化に取り組む企業の企業価値を市場が高く評価していることが示唆されている。そのため、経済産業省が東京証券取引所と共同で選定し公表している「DX銘柄(旧・攻めのIT選定銘柄)」選定企業における無形資産の蓄積が同業他社よりも進んでいるかを検証した。 具体的には、7年連続して「DX銘柄」に選定されているブリヂストンの属するゴム製品業界を分析対象とし、無形資産の比率の推移やトービンのqとの関係を実証的に分析した。その結果、ブリヂストンの無形資産比率とトービンのqは非選定企業のそれよりも総じて高い傾向があることが明らかになった。しかし、ゴム製品業界全体でみると、無形資産比率とトービンのqとの間に安定した正の相関関係の存在を認めることはできなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
デジタルトランスフォーメーション(DT)の成功要因を実証的に解明するため、本年度は昨年度に引き続き文献サーベイや事例研究を行うとともに、国内企業に対するインタビュー調査や質問票調査を予定していた。しかし、長期化するコロナ禍で依然として行動の自粛が求められる状況が続いたため、積極的な調査や情報収集、打合せ等の実施が困難であった。 また、学内的にもハイブリッド授業の対応や新型コロナウイルス感染予防対策などに引き続き忙殺され、本研究課題に割り当てるエフォート率を引き下げざるを得なかった。 なお、研究分担者との集合形式での打合せの機会が失われており、オンラインミーティングツールを活用して定期的に打合せをしているものの、対面でのミーティングよりも効率が悪く、進捗状況の遅れの一因になっている。 以上のことから、国内企業に対するDTの取組に関するインタビューや質問票調査を実施することができなかったなどのため、本研究課題の進捗状況は遅れていると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は、4年の研究期間内に、文献調査などを中心とする理論研究、インタビューや質問票調査の実施にもとづく実証研究、統計的モデリングなどを4名のメンバーが協力して遂行することによって、デジタルトランスフォーメーション(DT)の成功要因を解明し、新たな情報システム(IS)マネジメントの指針構築を目指すものである。 長期化するコロナ禍の影響により本研究課題の進捗状況は遅れているが、例えばデータ収集に関しては引き続き既存の統計資料や企業財務データベースの活用などによって補完していきたいと考える。また、国内企業に対する質問票調査の企画・設計作業に鋭意努め、準備が整い次第実施する予定にしている。 なお、本研究の遂行にさらに時間を要すると判断する場合には補助事業期間の延長も視野に入れていきたい。
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